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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2016年6月29日水曜日

【文献紹介】棘上筋筋内腱の走行の加齢変化について

  本日は、3T-MRI画像から作成した3D骨・筋内腱モデルを用いて、健常成人における棘上筋筋内腱の走行の加齢変化について検討された論文を紹介させていただきます。

戸田、菅野 他:健常成人における関節窩面に対する棘上筋筋内腱の走行に加齢変化が
及ぼす影響 臨床バイオメカニクス 2015. 36p1-6

・対象は2040歳代の健常男性1530肩。

・測定項目は以下の4つです。
①肩甲骨水平面における棘上筋筋内腱の走行と関節窩面の成す角(SFA-AP
②肩甲骨の形態学的特徴である肩甲骨関節窩傾斜角
③肩甲上腕関節アライメントを表現する肩甲上腕関節内外旋角
④肩甲骨面に対する骨頭の前後変位量

・結果、40歳代以降の対象者において、棘上筋筋内腱の走行は関節窩面に対する後方への傾きが減少することが示されていました。この結果に対して筆者らは棘上筋の骨頭に対する後方剪断力成分が減少し、骨頭前方変位に対する動的安定化機構の一要素が加齢に伴い力学的に不利な構造になる可能性があると述べられていました。

対象者は若く年齢の幅が限られていること、また安静時での画像から得られた結果なので、動的な骨頭の前後剪断力の評価が正確に行われているかという点には考慮する必要があると思いますが、臨床の中で骨頭が前方変位している症例を多く経験しますので、今回の結果を病態把握の参考に、日々の臨床に励みたいと思います。

投稿者:佐々木拓馬

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