COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2016年10月20日木曜日

【文献紹介】棘上筋停止部に関する解剖学的検討

 棘上筋は肩関節外転時に重要な役割を担うとされ、腱板断裂の多くが棘上筋腱の断裂を含むことが知られており、腱板筋群の臨床において棘上筋は最も重要な筋です。

本日は棘上筋腱の上腕骨への停止部について解剖学的に明らかにした論文を紹介させていただきます。


この研究では解剖実習体の肩甲帯部を103側用いられて棘上筋の停止部領域を肉眼的に観察されています。

結果を以下にまとめました。

①棘上筋は棘上窩ならびに肩甲棘の上面に起始し、大結節の内側に停止していた。

②棘上筋最前縁には強く長い腱性部が存在し起始する筋繊維の多くが合流していた。

③強い腱性部は大結節最前方部に停止しており、結節間溝の上を扇状に覆って小結節にも停止していた。

④その他の筋繊維は後方の薄い筋性部として大結節の内側部に停止していた。

⑤棘上筋の腱性部は直線的に停止せず、停止部付近で方向を前方へ転じていた。


今回の結果より、棘上筋の主な停止部が大結節の前方にあったため、棘上筋の外転作用は肩関節内旋位よりも外旋位でより強くなるのではないかと考察されていました。

適切な治療を行うためには解剖学的知識や触診技術が必要不可欠なので、勉強して臨床に活かしていきたいと思います。

投稿者:佐々木拓馬

人気の投稿