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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2016年7月14日木曜日

【文献紹介】腱板断裂患者の夜間痛について


本日は、術前に夜間痛がある腱板断裂患者を対象として術前と術後の肩峰下滑液包圧の変化を分析し、夜間痛との関係性を検討した論文を紹介させていただきます。

山本、岡村 他:腱板断裂患者の夜間痛について―術前・術後の肩峰下滑液包圧の変化― 肩関節 2004. 28(2)p279-282
 
対象は術前に夜間痛のあった腱板断裂患者6肩(男性5肩・女性1肩)。平均年齢は57歳(49-72歳)、術後、全例において夜間痛は消失。方法はマイクロ圧センサーを用いて烏口肩峰アーチ直下に挿入し、仰臥位、立位、患側下の側臥位の姿位で測定されています(測定中の上肢の姿位は下垂位・内外中間位)。

結果ですが、術前・術後の圧を比較するといずれの姿位においても術前の肩峰下滑液包圧は有意に高かったことが示されていました。

夜間痛と肩峰下滑液包圧に関するこれまでの報告として、夜間痛には睡眠時の体位が関係しており、特に仰臥位で肩峰下滑液包圧が増加すること。また、夜間痛の出現頻度が高い五十肩も腱板断裂同様に肩峰下滑液包圧が増加していることが報告されています。今回の結果からも肩峰下滑液包圧の増加は夜間痛の一要因であると考えられることができます。夜間痛に対するアプローチを行う際は、理学療法士として肩峰下滑液包の圧を減少させるために棘上筋や棘下筋上方繊維、上腕二頭筋長頭など肩峰下滑液包周囲の軟部組織に注目することの大切さを学びました。

投稿者:佐々木拓馬

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