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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2015年11月7日土曜日

膝前十字靭帯損傷の受傷メカニズム


 本日は20153月に発売された関節外科より「膝スポーツ外傷update」の中から膝前十字靭帯損傷(以下ACL)の受傷メカニズムについて紹介します。


 非接触性ACL損傷の受傷メカニズムは過去に様々な研究報告がなされており、特にknee in toe outの肢位がビデオ解析の結果などからACL損傷のメカニズムとして考えられており、膝外反、外旋位が典型的な受傷肢位であるという報告が散見されます。

 しかし、受傷時のメカニズムの研究として、これまでのビデオ解析による視覚的分析では関節角度の推定では最も容易と思われる膝関節の屈曲角度でされもかなりの誤差があることが示されていることと、損傷のタイミングの推定は困難であることが問題点とされています。そこで筆者らは視覚的分析に代わる新たなビデオ解析のアプローチとして、MBIM法を開発し、非接触型ACL損傷の受傷シーンを解析しています。

 解析の結果ACL損傷の瞬間には膝外反による外側コンパートメントへの圧迫力により内旋と前方移動が生じているとし、いわゆるknee in toe outACL損傷後に生じる単なる結果にすぎないのではないかと考察しています。その考察を基に図を用いて文献の中で詳細に新たなACL損傷の仮説について書かれています。

 また他にもACL損傷における股関節の役割について過去に報告されている文献の紹介から、今回、提唱している損傷メカニズムから考える予防法についても考察されています。

 今回の文献で新たな受傷メカニズムが提唱されたことから、より受傷時の股関節の肢位についても目を向けていくことが重要ではないかと考えられます。過去に報告されているACL損傷と損傷時の股関節の肢位についても調べてみようと思いました。

投稿者:服部隼人

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