COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2015年11月11日水曜日

半膜様筋腱の腱鞘炎について

本日は、半膜様筋の機能解剖と、その腱鞘炎について報告された文献を紹介します。

N.Helperin et al.:Arch Orthop Trauma Surg 106:281-284,1987

半膜様筋は、坐骨結節から膜状の平らな腱として起始し、付着部は直頭と反回頭に分岐しています。直頭は脛骨後内側部を直行し、反回頭は内側関節裂隙の5-10mm遠位部を前方70°-90°の角度で半膜様筋腱溝を走行し付着します。半膜様筋腱の腱鞘炎は、OA等の退行性変化により生じる半膜様筋腱溝近位部の骨棘が摩擦の誘因となって生じるのではないかと述べられています。

治療は主に抗炎症剤やマッサージによる保存療法が適応となりますが、抵抗した場合は半膜様筋腱溝内での滑膜や滑液包の切除術を行うとしています。

慢性の膝関節痛を患う患者において、急性の膝内側部痛が生じた場合は鵞足炎や内側半月板損傷などの他に、半膜様筋腱の腱鞘炎にも注意して疑うべきと述べています。診断には、半膜様筋腱溝部の圧痛所見と、X-P前後像での同部の骨棘の有無などが評価のポイントになるそうです。

まずは半膜様筋をきちっと触れるように触診の練習に励みたいと思います。


投稿者:竹下真広

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