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2016年5月9日月曜日

【文献紹介】膝関節筋の解剖学的特徴について

 本日は膝関節筋の解剖学的特徴について報告された文献を紹介します。






安岡:膝関節筋の肉眼解剖学的観察―膝関節筋の形態と中間広筋および膝蓋上包との関係―久留米医会誌,7414-222011

 膝関節筋は中間広筋の遠位深層から分岐した筋繊維で構成されており、作用は膝伸展時に膝蓋上包を近位へ引くという報告はあるものの膝関節筋の形態、大腿神経筋枝の筋内分布についての詳細な報告はないことから、筆者は肉眼解剖を行っています。

形態として膝関節筋は中間広筋の遠位深層部に存在し、起始部は大腿骨骨幹部下部前面、停止部は膝蓋上包であり、停止部位に進むほど筋幅が広くなる三角形を呈していると確認されています。停止部にいくほど脂肪組織に覆われており、細長い筋線維が幅広く存在し、 総じて筋厚は薄いことも報告されています。支配神経の分布に関しては中間広筋内を通り、膝関節筋まで走行する大腿神経からの筋枝であることが確認されています。

停止部位に近づくほど筋腹が広くなり、広い範囲で膝蓋上包に停止し、停止部位付近では脂肪組織に覆われることから膝関節の機能不全の一つの要因になり得るのではないかと思いました。
また、支配神経は中間広筋内を通り、膝関節筋に分布することから、中間広筋の損傷による膝関節筋の機能不全が起こることも考えられます。
この様に筋の形態を理解することは3次元的に解剖を捉える上で重要であると感じました。



投稿者:天鷲翔太

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