本日紹介する文献では、歩行・走行・跳躍および着地動作・スクワット時の膝関節にかかる負荷について検討しています。
方法は、VICONを用いて光学マーカーの三次元位置データをもとに、上記動作時に生じる関節間応力、筋力などを解析しています。
結果は、全ての動作において膝関節に必要な制動力は後方制動力であり、ACLによる前方制動力が必要な時期は確認されなかったと報告しています。
すなわち、ACLはこれらの動作のみでは損傷することはなく、何らかの前方制動力が必要な状況になった際に、ACLに負荷が加わり損傷することとなります。一方、検討した動作では後方制動に対する負荷が加わることが明確にされていますが、これに関してはPCLのみではなく、膝関節の後方に存在する腓腹筋によって強力な制動力を得ていると示されています。
検討されていた動作でACL損傷は生じがたいということを踏まえた上で、再断裂防止を考慮した理学療法の実施が重要であると感じました。
投稿者:関本健太
検討されていた動作でACL損傷は生じがたいということを踏まえた上で、再断裂防止を考慮した理学療法の実施が重要であると感じました。