COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2016年5月21日土曜日

MRIを用いた膝関節の運動解析

今回、紹介する文献はMAIを用いて膝関節の運動解析を報告しているもので、特に屈曲90°以上の深屈曲を中心にしています。


中川ら:MRIを用いた膝関節の運動解析 日本臨床バイオメカニクス学会誌 Vol.21,2000

 対象は成人男性で膝関節に外傷歴や愁訴を持たない20膝を対象とし、検討項目として、各肢位での大腿骨の顆部が撮影された画像において脛骨関節面に対する大腿骨内側顆、外側顆の前後移動距離と大腿骨に対する脛骨の回旋角度としています。また、自動屈曲と他動屈曲にて計測されています。

 結果として、大腿骨内側顆は自動最大屈曲位(平均133°)までに約2mm後方へ移動、他動最大屈曲(平均162°)までに約6mm後方へ移動したとしています。外側顆は自動最大屈曲位までに約13mm、他動最大屈曲までに約27mm後方へ移動したとしています。この結果から大腿骨外側顆が大きく後方へ移動しており、脛骨は大腿骨に対し内旋運動していると考えられ、その回旋軸は脛骨関節面内側に存在していたと報告されています。また、回旋角度は90°を基準として自動最大屈曲までは約15°他動最大屈曲までは約28°であったとしています。

 今回の報告から屈曲90°以上の屈曲可動域を求めていく時には脛骨の内旋を意識することと、その回旋を制限している原因となる組織の評価はとても重要であると再確認できました。


投稿者:服部隼人

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