本日はCR型TKAのロールバックをX線にて観察された文献を紹介します。
佐藤ら:CR型TKAの大腿骨コンポーネントのロールバックについて、整形外科と災害外科、50:(3)690-693、2001
TKAにはPCL温存型(以下CR型)とPCL切離型(以下PS型)があります。CR型はPCLの機能により屈曲に伴い、大腿骨コンポーネントがロールバックし、屈曲角度が増加すると言われています。この文献ではCR型TKA後における膝関節の運動様式をX線にて観察し、術後可動域との関係を検討されています。
X線による観察によりロールバック、脛骨の内旋がある群、ロールバックのみする群、両方とも見られない群の3つの群に分かれたことが報告されています。また、膝関節屈曲角度について、上記の順で良好な傾向であったと報告されています。
人工関節の機能、術式の理解はTKAのみでなく、他の疾患でも重要であると考えています。
また、この文献ではX線によるCR型のみの観察でしたが、PS型との違いや三次元での動作理解を深めていく必要があると感じました。