臨床において、大腿四頭筋セッティングは関節運動を伴わない運動として廃用性筋委縮や筋力維持などを目的に行われています。
本日は、体幹固定性の違いと股関節屈曲角度の変化によるセッティング力と下肢筋活動の関係について文献を紹介します。
事柴 壮武 他:体幹固定性の違いと股関節角度の変化が大腿四頭筋セッティングの下肢筋筋活動に及ぼす影響.理学療法の臨床と研究 2013(22);p21-24
今回の報告では、背面支持のある股関節屈曲15°および65°、背面支持のない115°の3条件で、各筋の最大随意等尺性収縮時の筋活動を計測しています。筋活動の測定筋は大腿直筋、内側広筋、外側広筋、半膜様筋、大腿二頭筋、大殿筋の計6筋です。
結果は、背面支持のある股関節屈曲65°においてセッティング力、大腿直筋、内側広筋、外側広筋の活動が最も高値を示したと報告されています。また、下肢後面の3筋に関しては有意な差は認められなかったと報告されています。
大腿四頭筋セッティングでは体幹や股関節のみではなく、足関節の角度によっても筋活動が変化するとの報告もあるため、個々の目的に合わせた肢位で実施する必要性を感じました。また、今回紹介させて頂いた文献は3条件のみですが、臨床においては様々な肢位で行う機会があることが考えられます。そのため、各筋の特性を理解した上で、四頭筋セッティングを指導することが重要であることがわかりました。
投稿者:関本 健太