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2016年5月6日金曜日

【文献紹介】腓骨筋の解剖学的特徴について

 本日は腓骨筋の解剖学的特徴を、筧先生の外果および腓骨筋滑車における長・短腓骨筋腱の解剖学的観察より紹介したいと思います。

 
 筧重和ら:外果および腓骨筋滑車における長・短腓骨筋腱の解剖学的観察.日本理学療法学術大会.2013

 足の外在筋の腱は、腓骨の果部を滑車として大きく変化させる構造を持ち、筋の収縮力によって強く圧迫されます。その中でも走行距離が長く索状を呈する腓骨筋腱や後脛骨筋腱は機械的刺激を受けやすく脱臼等の障害を受けやすいと言われています。
 この報告では、解剖実習体を用いて腓骨筋腱の解剖学的特徴に着目されて研究されています。
 一般的に腓骨筋腱は、外果の後方で上腓骨筋支帯に、腓骨筋滑車部で下腓骨筋支帯により覆われているとされています。また、外果の後方では長腓骨筋と短腓骨筋が交差する様子を確認されています。この部位を横断面方向に観察すると短腓骨筋がU字状に弯曲しておりその浅層を長腓骨筋が走行します。一部の短腓骨筋には長軸方向に裂け目が存在していたそうです。また、下腓骨筋支帯には区画が存在していることも紹介されています。

 腓骨筋腱脱臼や腓骨筋腱障害を診る上で、腓骨筋腱の脱臼の仕様や圧迫による摩擦の程度の把握につながる知識となるかと思いましたので紹介させていただきました。現在、この知識と臨床所見との関連性は見いだせていませんが、新たな気づきがありましたら、また報告させていただこうと思います。

投稿者:中井亮佑

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