COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2015年7月14日火曜日

広範囲腱板断裂に対する筋前進術を併用した鏡視下腱板修復術

今回は「広範囲腱板断裂に対する筋前進術を併用した鏡視下腱板修復術」
を紹介したいと思います。




この文献では、一次修復不可能な腱板広範囲断裂に対し、関節鏡補助下筋前進術、上肩甲横靭帯切離術を併用した鏡視下腱板修復術を施工し術後の治療成績を検討されています。
手術の方法としましては、Debeyreらが報告された腱板広範囲断裂に対する手術に改良を加えたDebeyre-Patte変法を行っています。
この方法は菱形筋と棘上筋、棘下筋が筋膜を介してつながっていることに着目しています。
棘状筋と棘下筋を肩甲骨付着部より切離し腱板を前進することで断端部を引き出しfoot printに縫着させる方法です。
この術式では従来の修復法では対応できない断端が高度に退縮している症例に対してもfoot printまで縫着可能であると報告されています。
以前より当院の小野先生がこの方法に着目し、腱板断裂や肩関節疾患の患者に対して棘下筋の前進操作を運動療法でも行えるのではないかと考え、当院では菱形筋に対するアプローチを行ってから棘下筋の治療を行うようにしています。
このアプローチ方法に変更してから肩関節の可動域が以前に比べ良好に改善されてきています。
今後、この治療方法を用いた治療成績などを学会で報告していきたいと考えています。
解剖学に沿って治療することで治療効果が良好になるので今後も解剖学に沿った治療が行えるように日々精進したいと考えています。


投稿者:団野翼


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