本日紹介する文献は上肢挙上時における鎖骨の動きについてです。
宮本 俊之ら:上肢挙上時における鎖骨の動き.整災46(3):890-893,1997
本日紹介する文献は上肢挙上によって鎖骨がどのような動態をするのか、という点について述べられています。1997年と少し前の文献となりますが、それまで三次元的な運動が分析できておらず正確な報告がなかったことから、新たな分析方法としてX線透視装置を用いて三次元的な運動分析を行っています。
上肢の挙上に伴い鎖骨が後方回旋及び外転(挙上)するという報告をよく見かけますが、本文献では挙上角度ごとで鎖骨の動きを分析しています。このため、患者さんの上肢の動きと鎖骨の動きをイメージすることで、動作異常を評価することが可能になるかと思います。
また、本文献において僕が気になったことは、従来の分析方法を取り入れず、新たな方法によって鎖骨の正確な動態を分析した所です。従来の方法に従うと研究を進めやすいと思いますが、何を正確に表現したいのかによって、研究方法は十分に検討するべきだと思いました。
臨床においても研究においても本文献を参考にしていきたいと思います。
投稿者:中井亮佑