対象は肩関節周囲炎と診断され機能面改善に至るまで運動療法を施行した40名(女性26名、男性14名、年齢65.5±10.8歳)。夜間痛は発症から消失までを週単位で記録し、夜間痛期間と屈曲・外転・外旋の可動域改善率、結滞差(脊椎の個数)について検討されています。
結果ですが、外旋改善率は夜間痛が長期に及ぶほど低くなるが、その期間が4週以内に治まれば予後が良いと示されていました。この結果をふまえて筆者らは炎症による夜間痛が続くほど烏口上腕靭帯と腱板疎部の関節包は肥厚し、伸張性が低下して予後に影響するのではと考察されています。
前回は夜間痛と肩峰下滑液包圧の関係性について報告してある文献を紹介させていただきました。今回の報告では、夜間痛が5週以上続くと特に外旋改善率の予後が悪くなることがわかり、改めて早期に夜間痛を消失させることの重要性を学びました。今後も夜間痛について勉強して臨床に活かしていきたいと思います。
投稿者:佐々木拓馬