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2015年7月25日土曜日

スクワット時の運動課題の違いによる脛骨前方引き出し力の変化について

 今回はスクワット時の運動課題の違いによる脛骨前方引き出し力の変化についての文献を紹介します。

金井章ら:スクワット時の運動課題の違いによる脛骨前方引き出し力の変化について 
日本臨床バイオメカニクス学会誌 vol 25.2004


前十字靭帯(以下ACL)再建術後のスクワット運動は大腿四頭筋とハムストリングスの共同性収縮などの要素から運動中の脛骨前方引き出し力が制限されることから重要視されています。過去の報告ではスクワット運動中の筋電図の検討や重心位置の変化による筋活動への検討が行われていますが、ACLにかかる負荷の個別の検討は行われていないことに筆者らは着目し、今回の研究ではスクワットにおける運動課題の違いによるACLの負荷に直接影響する脛骨前方引き出し力の変化について検討しています。

 運動課題は、膝関節角度、股関節角度を一定にしたスクワット姿勢で重心移動を行う静的計測と足底全体を接地した状態でのスクワットおよび、踵骨部を約1cm挙上させ母指球で体重を支持した状態での動的計測の2種類で計測されています。結果としては膝関節屈曲角度の増加と重心の前方移動により膝関節前方引き出し力が抑制された結果となっています。重心が前方へ移動することで大腿四頭筋の筋活動が減少し、ハムストリングスの筋活動が高まるために脛骨の前方引き出し力が抑制されると推察されています。今回の文献を読んで、ACL再建術後の患者様に対してスクワット運動を行う際に注意するべき重心の位置を再確認でき、臨床においても意識しなければいけないと強く感じました。

投稿者:服部隼人

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