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2018年10月3日水曜日

【文献紹介】小円筋の肉眼解剖について

本日は小円筋の形態と神経支配について書かれている文献を紹介させていただきます。






加藤ら:小円筋の形態とその支配神経の解剖学的解析 肩関節 201034巻第2号:301-304


この文献では献体1020肩を用いて肉眼解剖(16)と組織学的調査(4)を行われています。
肉眼解剖では小円筋の筋線維束の構成とその支配神経を調査されています。
組織学的調査では小円筋の筋腱移行部と上腕骨停止部を中心に組織切片を作製し、小円筋の層構造を解析されています。

肉眼所見
小円筋は肩甲骨背側の外側縁から起始し、上腕骨大結節後縁下部と上腕骨外科頸に停止していたと報告しています。
棘下筋と小円筋の筋間では腱性の強い筋膜組織があったとも報告しています。
しかし、遠位部では筋膜は消失している状態でした。
また、筋腱移行部付近では上部筋束と下部筋束とに分けられ、上部筋束は肩甲骨外側縁下背側から、下部筋束は棘下筋との間に存在する筋膜から大部分が起始していたとも報告されています。

組織学的所見
停止部では上部筋束は厚い腱として付着し、下部筋束は外科頸に垂直に線状に停止している構造でした。上部筋束の筋内腱は厚く、下部筋束では薄くなっており、
上部筋束よりも下部筋束で筋線維が多くみられたことを報告しています。
また、小円筋は腋窩神経の枝により下背側から支配されており、明確ではないが上部と下部で別の小枝によって支配されていることが全例で観察されています。


この文献から小円筋の形態と解剖学的特徴が分かりました。
小円筋は遠位部で上部、下部と分かれること、線維走行が異なることから作用や伸張のされ方が異なってくることが考えられます。
小円筋は臨床でも肩関節疾患の症例でよくターゲットとなる組織かと思います。
付着部、走行形態をイメージし、触診・評価していく必要があると感じました。
明日からの臨床に活かせるよう勉強していく必要があると改めて感じました。




投稿者:天鷲 翔太

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