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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2016年4月15日金曜日

肩関節外転運動での生体3次元、関節上腕靭帯の機能長評価

今回は、「肩関節外転運動での生体3次元、関節上腕靭帯の機能長評価」について
記載されている論文を紹介したいと思います。






関節上腕靭帯の機能は、脱臼などの過度な関節の動きや運動の最終域での制動が主であると考えられており、これまでにも数多くの研究がされています。
この論文では、mid range motionにおける生体内での関節上腕靭帯の変化を調査することを目的にされています。
方法は、生体内3次元動態解析システムおよび関節上腕靭帯の解剖研究から、肩関節外転運動における上肢自重下での関節上腕靭帯の3次元距離を計測し、動態に伴う距離変化を評価されています。
結果ですが、肩関節外転0°から60°まではSGHLが機能し、外転60°から90°ではMGHL、外転90°以上ではAIGHLが関節安定性に寄与していたとされています。
この論文の結論としては、mid range motionにおいては、各GHLが連動しながら、これら3つのGHLが異なる外転肢位でそれぞれが機能し肩甲上腕関節の安定性に寄与すると述べています。
この論文では肩関節不安定症に焦点を当てて、関節包靭帯の研究をされていますが、肩関節拘縮の症例を考える際にも必要な情報であると感じました。
上肢を挙上する際には骨頭が下方に下がる必要があり、この動きを制限する一つの組織としてIGHLが考えられますが、このIGHLが拘縮しており外転90°までの可動域を獲得できていなければ骨頭の下方への動きは制限されます。そのため、外転90°をいかに肩甲上腕関節で獲得出来るかは挙上に必要な要素であると考えています。
臨床上、肩関節の拘縮を生じている症例に遭遇することは多々あり、難渋することもありますが、結果を出せるように日々努力したいと思います。


投稿者:団野翼

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