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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2015年12月1日火曜日

大腿二頭筋について

本日は、大腿二頭筋(以下BF)の解剖と、その損傷によって生じる不安定性について述べられた文献を紹介します。

Glenn C.Terry et al.:The American Journal of Sports Medicine;vol.24,no.1:2-8,1996

BFの長頭は、坐骨結節から起始して、外側遠位に向かって下行しLCLの表層を走行します。
付着部は、2つの腱(anterior armdirect arm)3つの筋膜(reflected arm、外側腱膜、前側腱膜)に分岐しています。
BFの短頭は、大腿骨遠位の粗線から起始し、長頭の深層を外側遠位に向かって下行しLCLの深層を走行します。
付着部は、2つの腱(anterior armdirect arm)3つの組織(capsular arm、外側腱膜、biceps-capsuloosseous iliotibial tract confluens)に分岐しています。

本文献に記載された研究は、コンタクトや捻挫によって、膝前内側および前外側の回旋不安定性を示した82人を対象とし、損傷したBFの解剖学的な位置や、BFの損傷と各種ストレステストとの関連性について報告されています。
結果、損傷部位は短頭が圧倒的に多く、短頭の中でもcapsular armが他の組織よりも有意に多く損傷していたとのことでした。
また、BFに損傷のある者とない者それぞれに各種ストレステストを実施すると、損傷のある者は、各種ストレステストの中でも有意にLachmanテストの陽性率が高かったとのことでした。

本文献から、膝前方不安定性とBF短頭の損傷との関連性が立証されていますが、ACL損傷症例にBFの硬さを認めることが多いと感じるのは、受傷時にACLの損傷だけでなくBFにも少なからずストレスがかかっているからではと思いました。


投稿者:竹下真広

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