本日はアキレス腱のねじれ構造の肉眼解剖学について報告されている文献を報告します。
江玉ら:アキレス腱のねじれ構造の肉眼解剖学的検討 第13回新潟医療福祉学会学術集会
この文献では御献体32体50側を用いられています。
Szaro(2009)の報告を参考にアキレス腱(AT)を腓腹筋の筋腹が付着するAT線維束とヒラメ筋の筋腹が付着するAT線維束(以下、Sol)を分離し、腓腹筋内側頭が付着するAT線維束(以下、MG)と外側頭の筋腹が付着するAT線維束(以下、LG)とに分離されています。
また、各線維束の焼骨隆起付着部の配列をCummins(1946)の報告を参考に捻転度に応じて分類されています。
ATはMG、LG、Solの付着する線維束が互いにねじられながら癒合しており、ATを頭側からみて右側では反時計回りに、左側では時計回りの方向にねじれを呈していたと報告しています。
ねじれの程度により下図のように軽度(type1)~重度(type4)の4型に分類されています。
また、MGの線維束は比較的平行に走行していて、LGとSolの線維束はねじれながら踵骨隆起に付着していたとも報告されています。
今回の報告から詳細なアキレス腱の付着、走行形態が分かりました。
受傷機転を考える上でどのような負荷が加わったのか参考にしていきたいです。
明日からの臨床に活かせるようにもっと勉強していきたいと思います。
投稿者:天鷲 翔太