症例は外傷性肘関節拘縮のため関節授動術を行った8 例 8 肘です。初回手術から6ヵ月以上経過し、骨癒合が得られて十分な可動域訓練を行ったうえで、伸展制限が30 度以上または屈曲が110 度未満の拘縮が残存し、ADL 障害の訴えがある症例を関節授動術の適応とされています。
結果では軟部組織由来の拘縮の原因として全8例に内側側副靭帯POLの肥厚、8例中6例に前方関節包の癒着、4例に橈骨頭周囲の癒着、3例に後方関節包の癒着、2例に上腕三頭筋の短縮が認められ、これらは混在していたと示されていました。
拘縮の原因となる軟部組織を把握することは適切な病態把握や治療技術向上に繋がると思います。日々の臨床で肘関節骨折術後症例を経験するので術後の拘縮を予防し治療成績を向上させていきたいと思います。