本日は、「Prevalence of neurologic lesions after total shoulder arthroplasty」について記載されている論文の紹介をしたいと思います。
2014年から本邦においてもRSAが導入されており、今後臨床でもRSAの症例を経験することはあるかと思います。
RSAはTSAに比べて合併症が生じやすいと言われています。
この論文では、術前と術後の筋電図を用いてRSAとTSAで神経障害が生じる危険性がどの程度異なるのかを研究されています。
結果ですが、RSAにおける神経障害はTSAに比べて10.9倍と報告されており、特に腋窩神経を含む腕神経叢の障害が生じていたと報告されています。
このことからも神経由来の症状が出現していないかを確認することは重要なことであると考えられます。
また、平均2,7cm上腕骨が延長していたと報告されていますが、神経障害を回避するためには2cm程度にする方が望ましいとの報告もみられます。
RSA術後の上腕骨を延長した長さは神経障害のみではなく上腕外側部痛の発生の有無に関与するのではないかと考えられるため、今後検討していきたいと思います。
投稿者:団野翼