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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2016年3月5日土曜日

膝窩筋を中心としたヒト posterolateral structures の臨床解剖学的検討

 今回の文献は膝後外側複合体(以下PLS)の肉眼解剖学的な検索とMRIにおけるPLS構成組織の描出能について検討されている文献を紹介します。

 三浦ら:膝窩筋を中心としたヒトposterolateral structuresの臨床解剖学的検討 7回臨床解剖研究会記録 2003.9.20

 本文献内では成人遺体から816膝を用い、PLSに含まれる膝窩筋(以下PM)の詳細な付着形態についての結果が述べられています。結果としては検索された6例全例において近位付着部は共通して6分しており、①強靭なPM主腱は大腿骨外側顆に付着。②PM最表層線維は弓状膝窩靭帯(以下APL)の内側線維束と合一。③PM後面の深層線維束は外側半月板後角に付着。④膝窩トンネル構成線維の一部は関節包前方に発達した横走線維束を介して膝蓋骨側面に付着。⑤PM下縁線維は後方外側関節包に付着。⑥PM下縁表層線維束は膝窩腓骨靭帯(以下PFL)を介して腓骨頭に付着していたと報告しています。

 考察においては膝後外側隅角にて上下に存在するAPLPFL、関節包中部横走線維束が3方向から主腱を牽引することでPM主腱が関節安定機構として機能するのではないかとしています。また、PM以外のPLS構成靭帯については、MRIにて描出される位置に同じように存在していたと述べています。

 今回の文献からPMの運動機能にはPLSに関わる靭帯が関係し、それぞれ協調し合うことでPMの運動を補うと考えられることから、MRIにて各靭帯の損傷有無を確認することは重要であると感じました。


投稿者:服部隼人

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