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2023年3月1日水曜日

【論文紹介】腸骨筋内の腸骨筋腱・大腰筋腱が反転してsnapping現象が生じる


股関節前方の引っかかりやクリック音は、AIIS上の腸骨筋、腸恥隆起上の大腰筋腱、骨頭上の腸腰筋、腸恥弓上の腸恥滑液包、どの組織のどの部分でのsnappingか評価してきました。snappingに関する病態をエコー動態から説明している論文があったため紹介します。








Objective
超音波検査を用いて腸腰筋腱のsnappingの原因となる新たなメカニズムを説明することである。


Materials and Methods
片側(n=10)または両側(n=4)のsnap hipを呈した14人の患者(女性9人、男性5人、13~50歳)を対象とした。トランスデューサーは股関節の真上で恥骨と平行に横断斜位で描出した。すべての患者において、snapを発生させる股関節の動きは、股関節を屈曲-外転-外旋からニュートラルポジションに戻すことであった。


Result
18例中14例において、腸腰筋腱のsnappingは腸骨筋の周囲で大腰筋腱や腸骨筋腱が反転することにより誘発され、腱が恥骨に突然接触し、スナップ音を発生させることがわかった。腸腰筋腱のsnappingの他の原因は、内側腸骨筋腱と外側大腰筋腱が互いに反転すること(n = 3)、腸腰筋腱が前方嚢胞(ガングリオン)に衝突すること(n = 1)であった。


Conclusion
腸腰筋腱のスナップの新しいメカニズムが、超音波画像診断装置を用いて説明された。
腸腰筋腱の反転はsnap hipの最も一般的な原因であった。





腸骨筋内の腸腰筋腱や大腰筋腱は股関節の伸展と開排動作に伴い反転するように滑動することがわかりました。結局は腸腰筋のstifnessにより生じると思われますが、腸骨筋腱、大腰筋腱それぞれの3次元的な滑走性もイメージしていきたいと思います。





投稿者:尼野将誉




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