井上隆之他:ヒト関節拘縮病態の解剖学的観察,解析方法の検討―解剖学実習体による検討―
研究目的は実際に拘縮を呈している解剖学習体から骨格筋やその周囲を肉眼的・組織学的に観察し、系統解剖学や組織学による報告と拘縮の無い対照群と比較することです。
対象は長期臥床により膝関節屈曲拘縮を呈した3解剖学実習体で、対照群として膝関節伸展角度が0°に近い解剖学実習体を用いています。
屈曲拘縮が強い症例には以下のようなものが観察されました。
肉眼的観察
・鵞足部の著明な線維化
・大腿二頭筋と腸脛靭帯間が不明瞭
・関節内が脂肪組織で満たされている
・膝窩靭帯を巻き込んだ癒着
・腓腹筋起始部の線維化
組織学的観察
・外側側副靭帯の密性組織への変化
・外側側副靭帯の密性組織への変化
・関節包の密性結合組織への変化
・関節包の弾性線維の長さおよび数の減少
これらの結果から拘縮しやすい部位が推察できると思います。
長期的に屈曲拘縮を呈している症例を臨床で経験することがあります。
今回の結果から上記にあげた箇所を注目していく必要があると思いました。
これらの結果から拘縮しやすい部位が推察できると思います。
長期的に屈曲拘縮を呈している症例を臨床で経験することがあります。
今回の結果から上記にあげた箇所を注目していく必要があると思いました。