本日は橈骨遠位端掌側ロッキングプレート治療後に抜釘術を行い、どの術中操作が可動域の改善に関与したのかを報告している文献を紹介させていただきます。
・対象
男性7例
女性29例
平均327日で抜釘し,経過観察は平均428日
・可動域:術中に手関節、前腕の可動域を測定
術中操作と可動域測定の時期
①尺骨側の抜釘時
②橈骨の抜釘での展開後に尺側手根屈筋腱を剥離時
③屈筋や屈筋腱剥離時
④遠位ロッキングスクリューを抜釘するためプレート遠位を周囲組織と剥離した時
⑤プレート近位部の剥離
⑥プレート抜去時
健側比を麻酔下かつ展開前の可動域と比較し評価
抜釘術により可動域の改善がみられることが報告されていますが、プレート抜去目的に筋腱の剥離操作も行われていることがプレート抜去以外の可動域改善に大きく関与していることが考えられるかと思います。
このことから術後早期から筋腱の滑走操作、癒着・拘縮予防を徹底することの大切さを改めて感じました。
手術によりどのような操作が加えられたのかを知り、術後の理学療法に活かしていくことの重要性を再確認しました。