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2018年9月5日水曜日

【文献紹介】腕頭関節の解剖について


本日は腕頭関節の滑膜ヒダと橈骨頭について書かれている文献を紹介させていただきます。





田中ら:腕頭関節の解剖学的検討-滑膜ヒダと橈骨頭の関与について- 聖マリアンヌ医科大学雑誌 Vol,40pp115-127,2012


この文献では献体3564肘を対象とし、腕頭関節を解剖されています。
・腕頭関節包は8肘に断裂を認め、輪状靭帯は30肘に穿孔を伴う損傷を認めていた
・滑膜ヒダは64肘全例に存在し、腕頭関節面上から観察すると三日月状を呈していた
 滑膜ヒダは両側とも後外側領域に多く存在していた
 腕頭関節面上にある滑膜ヒダの面積は平均83.6±40.4㎟、橈骨頭に対する滑膜ヒダの被
覆率は平均21.8±9.2%であった
・腕頭関節面の形態は縦径が平均21.4±2.1mm、横径が平均22.4±2.2mm、面積は平均380.0±75.3㎟であった
・橈骨頭の軟骨損傷は高度な損傷が多く、左右差なく外側に多かった
・上腕骨小頭の軟骨は輪状靭帯に損傷があるものに高度な損傷が確認された
これらのことが報告されています。


この文献から腕頭関節包や輪状靭帯など、腕頭関節外側に複合的な損傷を認めているもの
に軟骨損傷が多いことが分かりました。
また、滑膜ヒダの面積が大きいものでは軟骨損傷のグレードが大きいことも読み取れまし
た。
外側に滑膜ヒダが発達していることから腕頭関節の外側でインピンジメントのような状態
になることが考えられるかと思います。
静的支持機構の損傷の有無を確認し、筋など軟部組織を評価して否定した上で滑膜の挟み
込みを疑う必要があるのかと思いました。



投稿者:天鷲 翔太


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