本日は腱板修復術後症例に対して超音波を用いて修復腱板表面と三角筋下面の境界エコーを動的に評価し、腱板機能評価として有用であるか検討された論文を紹介します。
術後1年以上経過した腱板断裂例586肩を対象とし、術後1年時の超音波検査にて三角筋下面と腱板表面間の境界エコーに着目して三角筋と腱板間が完全に分離滑走している症例(良好群467肩)、分離が不十分な症例(不良群119肩)に分類し、年齢、性別、断裂サイズ、術前と術後1年のROM、筋力、MRI評価について比較検討されています。
結果では組織間が分離滑走できている良好群は不良群より術後1年の内旋可動域や屈曲・外旋・外転方向の筋力、MRIによるcuff integrityが有意に良好であり、エコーによる動的評価は腱板機能評価に有用な方法であると報告されていました。
近年、どの分野においても超音波検査は広く用いられており、高い診断率や動的評価の有用性が報告されております。当院でも超音波診断装置があります。病態の解釈や治療の効果判定としてもっと利用していかなければならないと思いました。早速ですが、明日の臨床から活用していきます。