COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2019年2月7日木曜日

【文献紹介】腰椎分離・すべり症、変性すべり症における腰椎回旋不安定性について


本日は、腰椎分離・すべり症、変性すべり症における腰椎回旋不安定性についての報告を紹介させていただきます。


この研究は、腰椎回旋不安定性の病態を解明することを目的として、健常成人24例、腰椎分離・すべり症21例、変性すべり症29例の腰椎回旋運動を、2方向同時X線撮影法による3次元解析装置を用いて解析しています。
結果、罹患椎間の%回旋可動域の平均は、正常群のL4/5,5/S椎間の平均が約22%だったのに対し、分離症で約44%、分離すべり症で約43%、変性すべり症で約34%であり、変性すべり症で小さいですが、いずれも正常群に比べ有意に増大していました。また、腰椎分離・すべり症では前後屈不安定性の大きいものほど回旋不安定性も大きくなっていたのに対し、変性すべり症では前後動揺性の大きいものほど回旋不安定性も大きいという関係を示しています。以上のことから腰椎分離・すべり症、変性すべり症患者において腰椎の回旋不安定性が存在する可能性を示唆しています。

すべり症症例の脊椎不安定性を評価する画像所見としては、単純x線矢状面での脊椎アライメント評価や前後屈での機能的撮影が重要とされていますが、回旋不安定性の要素も念頭に置く必要があると考えます。そのため正面像での棘突起の位置など多方向からアライメントを評価することで病態解釈の一助になると考えます。
回旋不安定性は椎間関節へのメカニカルストレスにも繋がるため、椎間関節性腰痛にも関与してくるのではないかと考えます。
すべり症は単純に前後へ滑るのみではなく回旋の要素も加わるため、3次元で評価をしなければいけないと学びました。




2月23日(土曜日)第131回 整形外科リハビリテーション学会 京都支部定例会が行われます。
京都下鴨病院の佐々木拓馬先生に「膝OAにおける疼痛の解釈」についてレクチャーしていただきます。
定例会の参加には事前申し込みが必要になります。
申し込みは2月1にから始まっております。
定員は26人で、定員に達し次第申し込みを終了とさせていただきますのでお早めにお申し込みください。


投稿者:大渕篤樹




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