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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2016年12月9日金曜日

【文献紹介】股関節深層外旋深層6筋の付着位置について

 本日紹介する文献は、ご遺体を用いて股関節の深層外旋6筋の付着部位を調査されている論文です。
 Yoshiaki Ito et al. Anatomic Mapping of Short External Rotators Shows the Limit of Their Preservation During Total Hip Arthroplasty. Cain Orthop Relat Res 470(6): 1690-1695. 2012 

 股関節の深層外旋6筋は梨状筋、上双子筋、内閉鎖筋、下双子筋、外閉鎖筋、大腿方形筋からなる筋群であり、THAの手術方法などで着目されます。また、触診では臀部の脂肪体、大殿筋が表層にあり正確に触知することが難しい部位でもあります。そのため、形状がどのようになっているか、という点や触り分けるためのランドマークとなる部位はあるのか、などを把握することは正確に組織を触知する手助けになります。
 本論文は外旋深層6筋が大転子のどの面にどのような形態で付着するか、を調査されています。論文には、大転子に座標軸が当てはめてあり、付着部の定量化がされています。
 結果の一部ですが、上双子筋、内閉鎖筋、下双子筋は共同腱を形成し大腿骨の内側面に付着していることが報告されています。また、その後方に梨状筋の付着部があり、外閉鎖筋はさらに後下方に単独で付着していたとされています。
 このことから、深層外旋6筋は上双子筋、内閉鎖筋、下双子筋の共同腱、梨状筋、外閉鎖筋、大腿方形筋の4腱に分かれて大転子から転子間稜に付着することがわかりました。しかし、大腿方形筋を除く3腱の付着部は隣接しており、大転子の面をランドマークにこれら3腱を触り分けることは困難かと思います。このため、起始部である仙骨・坐骨側から触診を行うことが妥当だと思いました。

投稿者:中井亮佑

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