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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2015年2月18日水曜日

遠位橈尺関節の不安定性について

Robert M et al.:DISTAL RADIOULNR JOINT INSTABILITY.JBJS vol.88-A no.4 April 2006


本日は、遠位橈尺関節の不安定性についての文献を紹介します。
私は普段の臨床で、手関節骨折後の前腕回内外運動で生じる、手関節痛に苦慮することが多いと感じています。

前腕の回内外運動で生じる手関節痛は、遠位橈尺関節の不安定性に起因することが多いと言われており、本文献では、その解剖や分類、鑑別テスト、外科的治療などについて述べられています。

遠位橈尺関節の安定性は、主に関節包や掌側・背側橈骨尺骨靭帯、前腕骨間膜、尺側手根伸筋、方形回内筋によって得られ、特に、掌側・背側橈骨尺骨靭帯による同関節への制動機能の関与は大きいようです。

前腕の回内運動に伴い尺骨頭は背側へ移動し、回外運動では尺骨頭は掌側へ移動します。掌側・背側橈骨尺骨靭帯等に損傷があれば遠位橈尺関節は不安定性を呈し、疼痛が出現します。運動療法では、前腕の回旋運動に伴い生じる尺骨頭の移動が過剰に生じないよう配慮する必要があると思われます。

またTFCC損傷の鑑別テストとして、座位姿勢からのpush up動作が紹介されていました。本テストによって生じる手関節痛はTFCC損傷を反映し、有用であると述べられています。明日からの臨床に少しでも生かしたいです。

 

投稿者:竹下真広




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