岩下哲他:拘縮を伴った腱板だ裂における肩甲骨周囲筋活動量の検討.肩関節37(3):1141-1144,2013
対象は腱板断裂患者です。腱板断裂患者をさらに拘縮あり群、無し群に分け検討しています。
電極を貼付した筋は僧帽筋上部線維と下部線維です。測定肢位は座位で挙上角度は30°、60°、90°、120°で測定しました。
結果は全可動域において拘縮あり群の方が僧帽筋上部線維、下部線維ともに活動量が多かったと報告しています。
筆者はこの結果からGHjtの著しい可動域制限により肩甲骨を過度に上方回旋させることで上肢挙上動作を代償していたと考察しています。
拘縮肩は臨床でも多く経験する症例であると思います。
拘縮肩は関節が動かないだけでなく、GHjtとSTjtの協調運動も破綻しています。この論文を読んで拘縮治療とともに肩甲骨周囲筋の過活動に対してもアプローチをしていかなければいけないなと思いました。