今回は、膝半月板単独損傷術後患者の膝伸展可動域制限因子について書かれた文献を紹介させていただきます。
第50回日本理学療法学術大会(東京)
本研究の対象は膝半月板単独損傷による手術を施行し、スポーツ復帰を目的とした患者66例です。
術後3ヶ月時点での膝伸展可動域をHHDを用い、1mm単位で測定されました。
HHD測定値より10mm未満を良好群(46例)、10mm以上を不良群(20例)に分類し、
①年齢、②性別、③BMI
④術式、⑤損傷部位、⑥損傷サイズ、⑦手術までの期間を後ろ向きに調査されました。
結果はHHD不良群に関与する因子として肥満群、LM損傷群が抽出されました。
結果から、LMは解剖学的特徴から膝関節伸展時の大腿骨顆部に伴う移動量、screw home movementによる下腿外旋に伴う前方移動が必要となるが、この動きが乏しいために可動域制限につながっていると考えられます。
このことから今後、半月板損傷後の膝伸展可動域制限をもつ症例に対して、各組織に伴う半月板の動き、半月板の動きを制限する因子に十分着目してアプローチして行きたいとおもいます。
投稿者:小林駿也