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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2017年5月22日月曜日

【文献紹介】自家半腱様筋腱・薄筋腱採取が前十字靭帯再建術後の膝屈曲筋力に及ぼす影響について


本日は前十字靭帯(以下、ACL)再建術後の膝屈曲筋力に及ぼす影響について書かれた文献を紹介させていただきます。
平田光司ら:自家半腱様筋腱・薄筋腱採取が前十字靭帯再建術後の膝屈曲筋力に及ぼす影響について 臨床スポーツ医学:Vol.14 No219972

ACL再建術には、BTB法やST/G法があり、BTB法に比べST/G法では膝関節前面の疼痛が生じにくく、大腿四頭筋の筋力回復が良好であることから、ST/G法が主流となっています。また、半腱様筋の形態は紡錘状筋であり、深屈曲域で筋力を発揮することからも、筋力低下を最小限に抑え早期復帰を目指すスポーツ選手に対しては半腱様筋腱を再建靭帯として使用するのが妥当だと考えられています。

今回紹介する文献では、再建材料の異なった(Ⅰ群:人工靭帯、人工靭帯+腸脛靭帯、Ⅱ群:STSTG2群を対象に術後1215週経過時の1)最大膝屈曲トルク、2)最大膝屈曲トルクの発揮角度、3)膝屈曲60°での発揮トルクを採取し、採取したデータから、4)ピークトルクが発揮されてから膝屈曲60°に至るまでのトルクの減衰率を算出し比較検討されています。

結果は一部を紹介させていただきます。
膝屈曲60°での発揮トルクの比較では、Ⅰ群は健側に対し患側-4Nm、Ⅱ群では健側に対し患側-31Nmでした。また、Ⅱ群の膝屈曲60°移行も急激に発揮トルクが減少していました。これらの結果からも、ST/G法では膝屈曲位での筋力は発揮しにくくなることが分かりました。

今回調べてみて、ST/G法にてACL再建術をされた患者さんでは、膝関節深屈曲トルクの低下が生じることを念頭に置き、術後のリハビリを行う必要性を改めて感じました。今後は、採取腱の修復過程についても知識を深めていきたいと思います。

投稿者:鷲見 有香

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