COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2014年10月9日木曜日

肩関節の挙上について

今回は肩関節に関する文献を紹介させていただきます。

乾 浩明ほか:肩関節の三次元運動解析 -挙上と回旋の関係- .肩関節,2007;31-2:229-231



この文献では、モーションキャプチャを用いて、屈曲挙上と外転挙上を行った際の上腕骨の回旋度合を比較されています。

屈曲挙上は大結節が烏口肩峰アーチの下を通過する運動に対して、外転挙上は肩峰下を通過する運動となります。そもそも通過するパスが違う2つの運動ですが、通過後も、屈曲挙上では、180°の挙上でも上腕骨自体の回旋はなく、臼蓋と骨頭間では180°の軸回旋がおこるため、比較的支点が保たれています。これに対して、外転挙上では、最大挙上を行うためには臼蓋と上腕骨頭との接点が変化することに加えて、上腕骨自体の軸回旋も生じるとされています。

このことを通して、外転挙上では各角度毎 で臼蓋と上腕骨頭の接点や上腕骨の回旋角度が変化するため、支点形成のための筋の活動性と伸張性がより必要となる運動であることが考えられます。このため、腱板断裂や拘縮肩、腱板修復術後の患者様では屈曲挙上から可動域訓練を進めていった方がより効率よくpassive・activeの 可動域の獲得ができるのではないかと改めて認識することができました。


投稿者:為沢 一弘




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