文献紹介
腰部脊柱管狭窄症に対する腰椎棘突起縦割式椎弓切除術の有効性
別冊整形外科59:103~107,2011
本日は、当院でも実施される腰椎棘突起縦割式椎弓切除術(以下、縦割術)の方法、有用性について述べられた文献を紹介します。
従来施行されてきた広範椎弓切除術は、傍脊柱筋の広範な剥離による著明な背筋筋力の低下や、棘突起をはじめとした後方支持組織の切除による椎間孔狭窄や椎間板障害などの二次的な障害が一部の症例において報告されているようです。
縦割術では、後方支持組織の温存により術後の不安定性を最小限に抑えることができるため、術後2年時の臨床成績は従来法と比較して良好であったようです。問題点として、温存された棘突起が椎弓から遊離するため体幹伸展筋力が脊柱に十分に伝達されない可能性があることです。
理学療法を進めるうえでも、縦割術の低侵襲性による創痛の軽減や脊柱筋の温存は有用に思われます。現在担当している縦割術症例も、術後の創痛や背筋の筋力低下による姿勢変化は生じておりませんが、今後の経過に注意しながらリハビリを実施していこうと思います。
投稿者:竹下真広