テーマは、リバース型人工肩関節手術 (reverse TSA ; reverse total shoulder arthroplasty) について。
森大祐先生は、アメリカ・フィラデルフィアの Thomas Jefferson University で2014年の7月末まで肩関節の最新の臨床研究を積まれ、9月より京都下鴨病院に復職されました。
その経験を元に、今回は治療コンセプトから術式、後療法、リハビリにかける熱い想いまで、森先生が実際に執刀された手術写真を豊富に交えて丁寧にご指導いただきました。
Reverse TSA は、通常のTSAと違い、ボールとソケットを逆に設置することで、腱板のない患者さんでも三角筋の筋力だけで挙上を可能にする手術です。棘上筋、棘下筋の機能が不必要な分、肩甲下筋と小円筋の機能が大事だそうです。下垂位外旋の極端に弱い症例には広背筋移行が適応されます。結帯の獲得には特に肩甲下筋が重要とお話されました。
Openで行う手術ですが術後疼痛を訴える患者さんが少なく、症例によっては術後3か月で自動屈曲135度を達成できるようで、パッチ手術やARCRよりも早期に良好な成績を期待できます。
日本では2014年春より臨床導入が開始されましたが、当院では今月よりreverse TSA の手術予定が組まれています。森先生が執刀されるこの手術が京都初になるそうです。
日本では臨床経験が少ない手術ですが、文献を読み、スタッフ間で相談しあいながら知識を深め、実践していくことで、臨床成績を京都下鴨病院から続々発信していきたいと思います。
投稿者 : 立花 友里