文献紹介
手関節尺側部痛の鑑別診断
MB Orthop.27(4):1-7.2014
本日は、その病態についていまだ不明な点が多いといわれている手関節尺側部痛について述べられた文献を紹介します。
著者の経験上、手関節尺側部痛は尺側手根伸筋腱鞘炎、TFCC小窩付着部損傷、TFCC実質部損傷の3疾患であることが多いとのことで、これらの鑑別診断方法について中心に述べられています。鑑別診断については関節造影やCTのほか、carpal supination test、fovea sign、shake hand testなどの疼痛誘発テストも紹介されておりました。
特に、遠位橈尺関節を制動する掌・背側橈尺靭帯が付着する、TFCC小窩付着部での損傷は、私が現在担当している前腕回内で出現する手関節尺側部痛症例とも関連があるのではないかと参考になりました。明日からの臨床に少しでも生かせたらと思います。
投稿者:竹下真広