COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2023年2月2日木曜日

【論文紹介】ヒアルロン酸注射の効き目はどのくらい?

患者さんから「ヒアルロン酸注射の効き目はどのくらい?」と質問され、答えられなかったためヒアルロン酸について調べ直しました。3つの論文をまとめました。




ヒアルロン酸とは、100k-1MDaの高分子多糖体で細胞外基質内に通常存在している。

基本構造はグルクロン酸とN-アセチグルコサミンの2糖がグリコシド結合した繰り返し構造であり、生体内ではB型滑膜細胞や線維芽細胞によって産生される。






半減期は血液循環内では3~5分、細胞内では1日以下、関節軟骨内では1~3週間と存在する組織によって多様な機能を果たしていると考えられる。ヒアルロン酸は関節内滑膜や眼球硝子体内の粘弾性を維持しているが、この粘弾性は高い水分子結合率による円滑作用とされる。具体的に円滑作用とは剪断、圧迫ストレスに対する抗癒着、衝撃吸収、安定性などの作用を示し、さらに鎮痛作用も有している。 





また、ヒアルロン酸は腱鞘滑膜からも産生される。腱滑動作用だけでなく、成長因子放出や細胞間の相互作用など修復反応促進、瘢痕組織生成抑制など効果がある。




一般診療で広く利用されるヒアルロン酸は、関節内だけでなく筋・腱付着部における役割も大きいことを学びました。軟部組織に対する効き目は1日以下であり、注射直後に運動療法を行うことでその効果は増すのではないかと考えます。




投稿者:尼野将誉




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