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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2017年5月20日土曜日

【文献紹介】膝前十字靱帯再建術後早期からの大腿四頭筋に対する電気刺激の有効性

 今回は、ACLR術後早期からの大腿四頭筋に対する電気刺激の有効性についての文献を紹介させていただきます。



和田 健征ら:膝前十字靱帯再建術後早期からの大腿四頭筋に対する電気刺激の有効性

昭和伊南総合病院 リハビリテーション科ACLR術後

ACLR術後に大腿四頭筋の等尺性収縮力が低下している症例に対して、EMSが有効とされており、術後早期からも使用されるようになってきた中で、今回は大腿四頭筋に対する術後早期からのEMSの有用性を検討する目的で調査されています。
 対象はACLRを施行された患者のうち、12例12膝(平均年齢30.2歳、男性6例・女性6例)とされ、術後4日から14日まで大腿四頭筋に対しEMSを施行し、術後4日、術後1週および術後2週の時期での大腿四頭筋の表面筋電図所見について比較検討されました。

 結果としてはRF,VMおよびVLにおいて有意な経時的変化を認めず、RFとVMは術後2週でのみEMS施行後が施行前より有意に大きかったが、VLはどの時期においても有意差は認めなかったと報告されいています。

 結果から、術後2週間を経過した時点でのEMSはRF、VMには効果的であると考察できますが、VLにおいては効果を認めていません。また、術後早期での施行も効果がないことがわかります。これは手術侵襲に伴う炎症が関与していることが推察でき、セラピストが介入していくうえで、まずはEMSの適応を理解しなければならないことが分かります。また、術後早期~2週間でEMSが使用できないことを踏まえた上で、他の方法での大腿四頭筋の等尺性収縮を促す方法を見出していかないといけないので、もっと患者さんの特異性に合わせたアプローチを身につけるため、日々精進していきたいと思います。

投稿者:小林駿也



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