COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2018年11月7日水曜日

【文献紹介】肘関節外側側副靭帯の解剖について

本日は肘関節外側側副靭帯(以下LCL)の解剖について報告されている文献を紹介させていただきたいと思います。






浦田ら:肘関節外側側副靭帯の解剖について 整形外科と災害外科 45(2)526-528,1996.


この文献では屍体35(3、右2)を対象にLCLの付着部、走行および靭帯切離時の関節不安定性について観察されています。

短橈側手根伸筋、総指伸筋、固有小指伸筋、尺側手根伸筋を前方に、肘筋を後方に剥離するとLCLの外側上顆の付着部では伸筋群の筋腱と一緒に付着しており分離させることは困難であったと報告されています。
靭帯の走行を抹消へ辿ると前方は輪状靭帯へ付着し、後方は回外筋稜に付着しますが、回外筋腱と一部癒合して付着する様子が観察されたとも報告しています。
観察された5肘すべてに後方繊維を確認でき、前方繊維ほど明確には確認できず、前方繊維まで靭帯を切離するとある程度の安定性が保たれていたが、後方繊維まで切離すると著明な不安定性が観察されたことが報告されています。


この文献からLCLの解剖学的な特徴が分かりました。
LCLは他の組織との境界が明確には確認できない部位もあることも理解しました。
しかし、肘関節の屈伸角度の違いで不安定性が変化するのかはわかりませんでした。
明日からの臨床で活かせるように勉強を進めていきたいと思います。


投稿者:天鷲翔太

京都支部定例会のご案内

京都支部定例会の宣伝です。


129回京都支部定例会
スポーツ障害に対する運動療法シリーズ 肘関節〜野球肘〜
講師:永井教生 先生 (京都下鴨病院 整形外科リハビリテーション学会認定A
日時:20181124日 18時受付開始
会場:京都下鴨病院 二階リハビリテーション室
会費:会員 無料 非会員 500



今年のテーマである「スポーツ障害に対する運動療法」シリーズの最終回になります。
最終回は 野球肘 がテーマとなっています。
スポーツ障害のリハビリテーションを行っていく上で、特に学童や学生野球の選手で良く直面する疾患ではないでしょうか?
今回の定例会を期に再度“野球肘”について自身の知識や治療の再確認をしてみてはいかがでしょう?
事前申し込み制であり、おかげさまで定員に到達するのも毎月早いため、今のうちに予定を確認して申込みの程宜しくおねがいします!
県外からのお越しの先生方もお待ちしております!

申込みは下記URLよりお願いします。
https://pro.form-mailer.jp/fms/f8e2b38d114071


投稿者:高橋蔵ノ助

2018年11月6日火曜日

【文献紹介】円板状半月板における臨床成績について

今回は小児の円板状半月板における臨床成績ついて述べられた文献を紹介させていただきます。

 対象・評価
関節鏡視下半月板切除を施行された12歳以下の小児膝7例8膝
術前後の半月損傷治療成績判定基準(JOA)と単純X線を用いて臨床成績を評価
全例受傷機転は不明であり、明らかな外傷も認めませんでした。
 結果
全例で半月板の水平断裂を認め、完全型のdiscoidが8膝中7膝で認められた。
術式は7例が亜全切除で、1例のみ部分切除が施行されていた。また、JOAは平均が術前の50.0点から96.3点と改善されていた。文献内で紹介されている症例もLMの完全型discoidと診断され、亜全切除を施行されており、JOAが40.0点から95.0点へと改善されていました。


本来半月板は、膝関節の運動に伴って移動するが、円板状半月板ではその動きが阻害されやすく、疼痛やロッキングといった症状が出やすいとされています。本来の半月板の動きを行わないということは、周辺の軟部組織にも少なからずストレスが生じていることが考えられます。小児の段階でdiscoidの切除を行なった場合、術前にかかっていたであろう軟部組織バランスを修正してあげることが、術後の理学療法では大切になるのではないかと思います。

林哲生他:幼小児における外側円板状半月に対する鏡視下手術の検討.整形外科と災害外科.55(1).92-94.2006

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