Staff profile
COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について
2023年3月30日木曜日
【論文紹介】FAISにおける骨盤後傾獲得の意義
2023年3月23日木曜日
【論文紹介】前足根管症候群について
前足根管症候群に伴う痛みは、通常、活動時に悪化し、安静時に回復することがある。また、夜間の痛みもよく見られるが、これは足が底屈した状態で保持され、深腓骨神経が伸長した状態になるためである。
その他の絞扼性神経障害と同様に、深腓骨神経の皮膚分布に感覚異常が出現する。短母趾伸筋の打診でTinel徴候が出現する。足底屈や背屈で症状が再現されることもある。神経伝導検査が推奨され、患者の28%には、浅腓骨神経から分岐する付属深腓骨神経の可能性がある。
最初の保存的治療は、患者教育、薬剤、局所注射、理学療法、および靴の着用や活動などの患者のライフスタイルの修正が必要となる。装具や調節可能な靴は、神経への圧迫を軽減するのに役立つ。また、異なる靴の装備、代替の靴ひも技術、適切なパッド部分も、神経に対応することができる。足首の捻挫を繰り返し、固有感覚を失っている患者には、腓骨筋を強化し、足関節の固有感覚を改善する理学療法が有効である。抗けいれん薬や三環系抗うつ薬は神経炎を軽減することができ、圧迫を和らげる治療と併用することができる。
前足根管症候群の保存療法は良好である。非ステロイド性抗炎症薬と、巻き込み部位へのステロイドの局所注入は、従来から使用されている一般的な方法である。急性外傷が深腓骨神経に関連している場合は、固定が必要である。神経障害が局所的な慢性浮腫と関連している場合、原疾患の治療が効果的である場合がある。
保存的治療で症状が改善されない場合は、神経減圧術を行う必要がある。足首の近位部に沿って縦または横長のS字切開を行い、第1および第2足根中足関節の付け根まで伸ばす。切開は長母指伸筋腱と長母指伸筋腱の間で深めに行う。
2023年3月15日水曜日
【論文紹介】有痛性外脛骨のタイプ分類と病態について
2023年3月12日日曜日
【論文紹介】前足部横アーチの評価について
Conclusion
2023年3月6日月曜日
【論文紹介】関節運動における関節軟骨と滑液の生理学的機能
自然界には完全に滑らかな表面は存在せず、すべての面には違いはあるものの必ず粗さが存在する。したがって、2つの物体表面間に潤滑効果がなければ、表面に存在する突起の先端のみが直接に接触し、その接触圧は接触面積が小さくなればなるほど高くなるので、このときすべりが起きると大きな摩耗が生じる。凹凸のある関節軟骨面の間で生じる潤滑はいくつかあるが主な2つの潤滑を説明する。
境界潤滑
2面間に液体が存在すると表面エネルギーのために流体の成分が吸着されて膜を形成する。この吸着膜によって突起の先端が対向する表面と直接接触する機会が減り、摩耗が防止される。これを境界潤滑(boundary lubrication) という。
流体潤滑
滑膜性関節では、滑液という粘度の高い流体が関節軟骨表面を薄くおおっているので、固体と固体の摩擦でなく、流体自体の摩擦となり関節軟骨はすりへらない。
液体に覆われた平面上の物体を想定すると,その物体が一方向に滑るとき,液体は物体と平面の間の狭い隙間へ押し込まれ、その圧力は高くなる。このとき,流体の圧力と加えられた荷重とが釣り合えば,物体と平面は非接触状態を保ち,流体潤滑状態が実現する。この状態はたとえば,水溜りの上を車が通行した際に生じるハイドロプレーン現象と同じものである。これが流体潤滑である。
摩擦係数の変化についての研究
滑膜性関節の摩擦係数は、0.001~0.008と言われている。荷重(顎関節)における摩擦係数の変化をみた研究では、摩擦係数は時間経過とともに有意に大きい値を示し、負荷60分後の摩擦係数は 50 N で 0.0220、80 N で 0.0239となった。初期荷重が大きいほど、荷重時間が長くなるほど関節内の摩擦係数が増加した。荷重時間との関係については、持続的な荷重により滑液の分散が促進され、滑液による流体膜の厚さが減少したことと考えられる。関節に持続的な負荷を加えると、徐々に流体膜厚が減少して流体潤滑から境界潤滑に移行すると言われている。すなわち、荷重量が大きく負荷時間が長いほど摩擦係数は増加し続けるのではなく、流体潤滑から境界潤滑に移行した時点で 一定になると考えられた。
この研究から、荷重関節に対してやはり体重コントロールは必要なことだと感じました。
関節内の解剖学、生理学、運動学について知ることにより、病態解釈などをより深めていきたいと思います。
投稿者:尼野将誉
2023年3月1日水曜日
【論文紹介】腸骨筋内の腸骨筋腱・大腰筋腱が反転してsnapping現象が生じる
18例中14例において、腸腰筋腱のsnappingは腸骨筋の周囲で大腰筋腱や腸骨筋腱が反転することにより誘発され、腱が恥骨に突然接触し、スナップ音を発生させることがわかった。腸腰筋腱のsnappingの他の原因は、内側腸骨筋腱と外側大腰筋腱が互いに反転すること(n = 3)、腸腰筋腱が前方嚢胞(ガングリオン)に衝突すること(n = 1)であった。
【論文紹介】ハムストリングス症候群〜大腿二頭筋腱膜と坐骨神経に関連した病態〜
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