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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2023年3月12日日曜日

【論文紹介】前足部横アーチの評価について

 前足部に症状を有する患者さんを担当することが増えました。定量的かつ客観的な評価方法を調べています。






Purpose
前足部の横アーチの柔軟性を明らかにするため、3次元モーションキャプチャシステムを用いて2つのポジションにおける横アーチ長の割合(%TAL)を測定することである。


Methods
下肢の損傷や変形がない男性19名、女性10名を対象とした。立位と下腿最大前傾位(LMAT)の姿勢で、デジタルキャリパーを用いて左足の%TAL(第1中足骨頭から第5中足骨頭までの距離を足長で割ったもの)を測定した。2つの位置の%TALの差(δ%TAL)を算出した。左足の中足骨頭と付け根の皮膚に10個のマーカーを取り付けた。3次元モーションキャプチャシステムを使用して動きを取得した。各マーカーの座標は、手動でデジタル化した。横アーチの高さの割合(%TAH)と第1中足骨と第5中足骨の間の角度(M1M5)を算出し、2ポジションにおける前足部の各パラメータの差をδ%TAL、δ%TAH、δM1M5とし、前足の柔軟性の大きさ(FFM)を算出した。被験者は、δ%TALに基づいて3つのグループに分けられた。<25%未満(低柔軟性グループ、n=7)、26%以上74%未満(コントロールグループ、n=15)、75%以上(高柔軟性グループ、n=7)。3群は、δ%TALで比較した。δ%TAH、δM1M5、FFMを比較した。


Result
δ%TALはδM1M5(r=0.61、p<0.001)、FFM(r=0.60、p=0.001)と相関があった。δM1M5については、高柔軟性群が他の群と有意に異なっていた(p=0.01)。FFMについては、高柔軟性群は低柔軟性群と有意に差があった(p=0.02)


Conclusion
 立位とLMATの両方で%TALを測定することで、前足部の横アーチの柔軟性を簡単かつ定量的に評価することができる。



前足部横アーチの評価の一つとして、画像所見と合わせて解釈していきたいと思います。



投稿者:尼野将誉






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