前足部に症状を有する患者さんを担当することが増えました。定量的かつ客観的な評価方法を調べています。
Purpose
前足部の横アーチの柔軟性を明らかにするため、3次元モーションキャプチャシステムを用いて2つのポジションにおける横アーチ長の割合(%TAL)を測定することである。
Methods
下肢の損傷や変形がない男性19名、女性10名を対象とした。立位と下腿最大前傾位(LMAT)の姿勢で、デジタルキャリパーを用いて左足の%TAL(第1中足骨頭から第5中足骨頭までの距離を足長で割ったもの)を測定した。2つの位置の%TALの差(δ%TAL)を算出した。左足の中足骨頭と付け根の皮膚に10個のマーカーを取り付けた。3次元モーションキャプチャシステムを使用して動きを取得した。各マーカーの座標は、手動でデジタル化した。横アーチの高さの割合(%TAH)と第1中足骨と第5中足骨の間の角度(M1M5)を算出し、2ポジションにおける前足部の各パラメータの差をδ%TAL、δ%TAH、δM1M5とし、前足の柔軟性の大きさ(FFM)を算出した。被験者は、δ%TALに基づいて3つのグループに分けられた。<25%未満(低柔軟性グループ、n=7)、26%以上74%未満(コントロールグループ、n=15)、75%以上(高柔軟性グループ、n=7)。3群は、δ%TALで比較した。δ%TAH、δM1M5、FFMを比較した。
Result
δ%TALはδM1M5(r=0.61、p<0.001)、FFM(r=0.60、p=0.001)と相関があった。δM1M5については、高柔軟性群が他の群と有意に異なっていた(p=0.01)。FFMについては、高柔軟性群は低柔軟性群と有意に差があった(p=0.02)
Conclusion
立位とLMATの両方で%TALを測定することで、前足部の横アーチの柔軟性を簡単かつ定量的に評価することができる。
前足部横アーチの評価の一つとして、画像所見と合わせて解釈していきたいと思います。
投稿者:尼野将誉