有痛性外脛骨の症例を担当することがありました。画像による分類と病態について調べたので簡単にまとめます。
外脛骨は1605年にBauhinによって初めて報告されたようです。
一般的に用いられるVeitchのタイプ分類について
タイプⅠ:外脛骨は後脛骨筋腱内にあり、舟状骨から分離している。
タイプⅡ:外脛骨は舟状骨と線維軟骨性に結合し、後脛骨筋腱付着部の一部となっている。
タイプⅢ:外脛骨は舟状骨と骨性に癒合しており、後脛骨筋腱付着部の一部となっている。
タイプⅡの外脛骨は舟状骨の明確な一部分であるが、舟状骨結節と幅約2mm未満の不規則な輪郭の線維軟骨部によって分離されている。
線維軟骨部になんらかの外傷が加わることで症状が誘発されるため、タイプⅡが最も症候性となりやすい。
病態
この副骨が存在すると、後脛骨筋腱の遠位部が直線化し内転力が生じるため、偏平足変形を引き起こす可能性があるが、それ以外にも、足首の背屈時に腱が繰り返し侵害され、慢性腱鞘炎や断裂に至る可能性がある。
外反ストレスにより滑膜に繰り返し剪断力が加わると、滑膜炎が生じる。その後に扁平足変形が生じることがある。舟状骨も骨壊死を起こすことがある。
他にもレビュー論文では、線維軟骨部の損傷により外脛骨に不安定性が生じ、回内ストレスにより牽引が加わることで疼痛が誘発されるもの、外脛骨への直接的圧迫による滑液包炎などがあるようです。病態については一部であるため、今後もアップデートしていく必要があると思います。これらの報告をもとに一症例ごとに病態解釈していきます。
投稿者:尼野将誉