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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2017年12月16日土曜日

【文献紹介】掌側ロッキングプレートを用いた橈骨遠位端骨折の遠位骨片へのスクリュー刺入本数の違いによる固定性の検討

本日紹介させていただく文献は掌側ロッキングプレートを用いた橈骨遠位端骨折の遠位骨片へのスクリュー刺入本数の違いによる固定性の検討についてです。




黒岩ら:掌側ロッキングプレートを用いた橈骨遠位端骨折の遠位骨片へのスクリュー刺入本数の違いによる固定制の検討,藤田学園医学会誌 2016




本研究は橈骨遠位端関節外骨折に対して、遠位部スクリューを1列と2列挿入した固定本数の違いによる成績を検討されています。


対象は橈骨遠位端関節外骨折に対しMODE Distal Radius Plateを用いて手術を施行された21例21手です。プレートの遠位部1列目のみにスクリューを4本挿入した症例を1列群、2列目までスクリュー7本全て挿入した症例を2列群とされています。1列群は9手で骨折型はA2:3手、A3:6手、2列群は12手でA2:10手、A3:2手です。


評価項目は術後6か月時点での手関節可動域、握力、MMWS、DASH、単純X線評価として術直後と6か月後のRadial inclination(RI)、volar tilt(VT)、ulnar variance(UV)を計測し、矯正損失の有無を検討されています。


結果は手関節可動域(屈曲・伸展・回内・回外)で有意差は認めず、握力、MMWS、DASHにおいても有意差はなかったと報告されています。単純X線評価でも両群に有意差は認めませんでした。しかし、1列群で骨癒合不全を1例認めたとされています。


本研究を通して、両群を比較しても臨床的評価、画像評価に有意差は認めなかったことがわかります。しかし先行研究ではMehringらは関節外骨折において、1列群に対し2列群は強度が高いと報告しています。本研究では1列群に骨癒合不全を1例認めていることから、スクリュー挿入本数の違いが固定性に関与していることが考えられます。
これらのことから、臨床では、画像所見からスクリューの本数にも着目することで、固定性の検討に役立てていきたいと思います。


                                       投稿者:小林 駿也

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