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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2017年3月16日木曜日

【文献紹介】肩甲下筋断裂における画像所見について

 本日は、肩甲下筋腱断裂における画像所見について報告された論文を紹介します。  

松尾洋司ら:結節間溝内水腫と肩甲下筋腱断裂との関連. 肩関節38(2):613-616,2014

 臨床において、画像から病態を推測することは理学療法を進める上で重要なスキルかと思います。例えば、肩関節のMRIは腱板断裂や関節唇損傷の診断に有効であるとされています。その中でも肩甲下筋腱(以下:SSc)の正確な画像診断は難しいとされており、画像において断裂を認めていなくても鏡視下では断裂が確認される事もあるようです。
 本論文はSScの断裂を認める場合、画像にはどのように表れる可能性があるのかについて結節間溝の水腫を中心に着目し報告されています。方法は画像所見と鏡視下でのSScの所見を比較し検討されています。
 画像にてSScの断裂像、結節間溝の水腫、Superior SSc recess fluid(SScの前上方にあり関節上腕靭帯周辺にあるスペースの高輝度変化)、LHBの(亜)脱臼のいずれかを認めた症例の多くは、SScが断裂していたとされています。しかし、SScが断裂していなくても、結節間溝の水腫やSuperior SSc recess fluidを認めていた症例も見られたようです。このことから、画像にてSScの断裂像やLHBの脱臼を認めた場合は実際に断裂していることが考えられます。しかし、結節間溝の水腫やSuperior SSc recess fluidのみの所見では必ずしもSSc腱が断裂しているとは限らないことがわかります。  
 この論文から、複数の所見が揃うと診断の正確性が増すことがわかりました。同じ画像からひとつでも多くの所見を見つけられるように画像を診る練習をしていきたいと思います。

 投稿者:中井亮佑

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