今回は、腱板断裂における骨頭上方化と上腕二頭筋長頭腱や上方関節唇損傷の関係を明らかにした論文です。
この研究は棘上筋・棘下筋腱板断裂に対して手術が行われた45肩が対象です。術前X線にて肩峰骨頭間距離を測定した後、7mm以上を上方化なし群、7mm以下を上方化あり群に群分けし、LHB断裂・脱臼の有無や上方関節唇損傷の程度などを二群間で比較しています。
結果、上方化あり群では上方関節唇損傷が多く、肩峰骨頭間距離と関節鏡視下での上方関節唇損傷の程度は負の相関があったと示されていました。
この研究から上方関節唇損傷と上腕骨頭上方化は関連している可能性があることを学びました。関節の構造が破綻すれば、その関節はどのような状態になりやすいのか、適切な病態把握ができるよう努めていきたいと思います。
投稿者:佐々木拓馬