本日は、大学野球選手における肩関節後下方関節包の厚みと弾性の関係について報告されている論文を紹介します。
武長徹也ら:大学野球選手における肩関節後下方関節包の厚みと弾性.肩関節 39
proceesing:897,2015
ヒトの身体はメカニカルストレスによって組織形態が変化します。その中でもオーバーヘッドスポーツによる肩関節の軟部組織の変化は特徴的です。オーバーヘッドスポーツをするアスリートの肩関節は後下方組織の柔軟性が低下しているとされています。
本研究の対象はオーバーヘッドスポーツを行う健常な大学野球選手です。方法は超音波診断装置を用いて小円筋の深層に存在する肩関節後下方関節包の厚みと弾性を計測されています。
非投球側に比べ投球側の肩関節後下方関節包の厚みと弾性は有意に高値を示したとされています。
同筆者の別の報告になりますが、棘下筋の深層に位置する肩関節後方関節包に関しても同じ結果であったようです。
このことから、投球動作によって肩関節の後方から後下方の軟部組織は、障害の有無に関わらずメカニカルストレスを受けていることがわかります。肩関節の後下方組織の柔軟性の低下のみでは投球障害に繋がらない可能性がうかがえ、他の要因との関連に目を向ける必要があると思いました。
投稿者:中井亮佑
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