小泉ら:膝蓋骨内側の支持構造について-特に内側膝蓋大腿靭帯の形態- 第14回臨床解剖研究会記録2010.9.11
この文献では50歳から99歳のご遺体31体の下肢31側(男性14、女性17)を用いて解剖を行われています。
解剖の結果、
①MPFLの大腿骨起始部は内側上顆の後方および内転筋結節の下方、腓腹筋内側頭の起始部の前方に位置している。また、大内転筋の停止腱は前後に二分して扇状に広がり、その間から起始している。
②MPFLは内側側副靭帯の表層を走行し、扇状に広がり、内側広筋の深層に入り込み、内側広筋の停止腱と強く結合して膝蓋骨の上部2/3の内側縁の内側縁に付着する。
③MPFLの上縁、下縁が明瞭なもの、上縁のみ明瞭で下縁は不明瞭なものに分けられる。下縁が不明瞭なものでは関節包に移行しており、境界を区別することは困難であった。
上記した①~③のことが今回明らかになりました。
膝関節屈曲動作において膝蓋骨の可動性は重要になると考えます。大内転筋停止腱の間から起始すること、内側広筋停止腱と結合していることを考慮し、アプローチしていく必要があると感じました。
また、MPFLは膝蓋骨の外側への脱臼を制動していますが、内側広筋や大内転筋等の筋が関与することを踏まえて評価、アプローチしていくことが重要になるのではないかと思いました。今後の臨床に活かしていきたいと思います。
投稿者:天鷲翔太