【文献紹介】肩関節屈曲および外転における棘上筋・棘下筋機能の筋電図による分析
本日は、肩関節屈曲・外転時の棘上筋、棘下筋の筋活動を評価している論文を紹介させていただきます。
対象は6名6肩(男性2肩、女性4肩、平均年齢32.8歳)です。筋電図の測定は、棘上筋は微細ワイヤーを棘上窩の中央に刺入し、棘下筋は三角筋後部繊維と僧帽筋上部繊維の下縁に表面筋電図の電極を張り付けて運動です。
結果、①外転角度の増加に伴い棘上筋、棘下筋ともに%MVCの増加が認められた。②屈曲では棘下筋の%MVCは下垂位から90°まで増加が認められた。一方、棘上筋の%MVCでは下垂位から60°まで高値を示すが90°屈曲以上は60°屈曲位に比べて%MVCの低下を認められた。
今回の結果から、0~120°までは棘上筋・棘下筋は外転筋としての働きがあること、屈曲90°以上では屈筋としての役割が棘上筋から棘下筋に移行することがわかりました。調べてみると肩関節屈曲・外転時の腱板筋活動については様々な報告があったので個々の症例に応じて評価・治療に役立てたいと思います。