本日は、脛骨遠位の骨端線離開骨折後に生じた長母趾伸筋腱拘縮に対して、腱の延長術が有効であったと報告された文献を紹介します。
G.Sharma et al:Extensor hallucis longus tendon contracture following triplane fracture of the tibia:foot and ankle surgery 13,76-79,2007
症例は、サッカー中のコンタクトによって脛骨遠位の骨端線離開骨折を呈した10代の男性です。
麻酔下での徒手整復から6週間固定され、8週後には骨癒合良好で、痛みなく歩行可能であったにもかかわらず、底屈に伴う母趾MTP関節の伸展運動が出現し、長母指伸筋腱の拘縮が疑われたとのことです。
運動療法に抵抗し、受傷から6か月経過しても改善しないため、長母趾伸筋腱の延長術を実施したところ、可動域、筋力は回復し、スポーツ復帰も果たしたとしています。術中所見から、脛骨遠位の後外側部に2か所の瘢痕が認められたとのことです。
現在、程度の違いはありますが同様な症例を担当しています。延長術を行わなわずに可動域を獲得できるように励みたいと思います。
投稿者:竹下真広
Staff profile
COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について
整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。
2016年3月31日木曜日
2016年3月30日水曜日
reverse shoulder arthroplasty術後に生じる神経障害について
本日は、「Prevalence of neurologic lesions after total shoulder arthroplasty」について記載されている論文の紹介をしたいと思います。
2014年から本邦においてもRSAが導入されており、今後臨床でもRSAの症例を経験することはあるかと思います。
RSAはTSAに比べて合併症が生じやすいと言われています。
この論文では、術前と術後の筋電図を用いてRSAとTSAで神経障害が生じる危険性がどの程度異なるのかを研究されています。
結果ですが、RSAにおける神経障害はTSAに比べて10.9倍と報告されており、特に腋窩神経を含む腕神経叢の障害が生じていたと報告されています。
このことからも神経由来の症状が出現していないかを確認することは重要なことであると考えられます。
また、平均2,7cm上腕骨が延長していたと報告されていますが、神経障害を回避するためには2cm程度にする方が望ましいとの報告もみられます。
RSA術後の上腕骨を延長した長さは神経障害のみではなく上腕外側部痛の発生の有無に関与するのではないかと考えられるため、今後検討していきたいと思います。
投稿者:団野翼
2016年3月26日土曜日
第105回定例会報告
本日は、第105回の京都支部定例会が開催されました。
内容は
吉田雄大先生の
「挙上時に右肩前方部痛を呈した腱板損傷の一症例」
団野翼先生の
「リバース型人工肩関節置換術にあける運動療法について」
でした。
まずは症例検討を行いました。
この症例は外傷性の広範囲断裂がみられており、支点形成ができない為に痛みが出ているのではないかという結論に達しました。
受傷の時期や画像上での断裂の程度、脂肪変性の度合い、理学所見など、様々な所見を正しく取り、組み合わせて、解釈することが重要であることを感じさせられる症例検討でした。
続いて団野先生がRSAの話をして下さいました。
今日が団野先生のレクチャーデビューでしたが、とても堂々としていて分かりやすい内容でした。
レクチャーではRSAの歴史や、適応、手術の手法、合併症などの基本的な情報を文献解釈も踏まえてお話していただいた後に、団野先生が考えるRSAの運動療法についてポイントを話していただきました。
団野先生、初レクチャーお疲れ様でした。
さて、来年度からは、テーマを股関節に絞り、1年間活動していきます。
偶数月は触診、奇数月は症例検討とレクチャーをメインで行います!
触診も出来るようになって、知識も得てを目標に頑張っていこうと思いますので、皆様、是非ご参加下さい!
症例検討は股関節以外でも全く問題ないので、難症例にお悩みの先生は勇気を出して症例検討に応募してみて下さい!
次回定例会案内と、年間予定のご確認、ならびに症例検討応募はホームページからお願いします。
投稿者:為沢一弘
第106回定例会のご案内
第106回定例会は股関節骨の触診です |
今年の京都支部は「股関節シリーズ」と題して、1年間をかけて股関節の機能解剖学的触診と疾患ごとに対する運動療法の考え方についてレクチャーを行います。
4月の定例会では触診のベースとなる「骨の触診」を行います。新卒の先生方には股関節の触診から治療まで系統立てて学べる絶好の機会です。もちろんRPTの先生方も日々の臨床での悩みを解決する機会となります。是非お気軽にご参加ください。
【第106回京都支部定例会】
レクチャー:「股関節の機能解剖学的触診(骨)」
講師:一志有香先生(京都下鴨病院 / 整形外科リハビリテーション学会認定B)
開催日:平成28年4月23日 土曜日
時間:受付18時〜 開始18時30分
会場:未定(決まり次第再掲します)
症例検討:募集中
参加費:会員無料、会員外500円
事前申込不要
2016年3月24日木曜日
肩甲下筋腱損傷について
本日は、肩甲下筋腱損傷について解剖学的、臨床的に研究された文献を紹介します。
Arai R,et al:Subscapularis Tendon Tear:An
Anatomical and Clinical Investigation.Arthroscopy 24:997-1004,2008
本文献の研究目的は、肩甲下筋腱の最頭側部がどのようにして上腕二頭筋長頭腱を支持しているかを解剖学的に調査すること、また肩甲下筋腱損傷と上腕二頭筋長頭腱の不安定性との臨床的な関連について調査することです。
肩甲下筋腱の最頭側部は、結節間溝の内側壁から上腕二頭筋腱の近位に向かって走行し上腕骨頭窩まで付着しているとのことです。上腕二頭筋腱の主要なスタビライザーとして知られるSGHLとCHLによるプーリー構造に対して、肩甲下筋腱の最頭側部はプーリーの内側を接触しながら走行することで上腕二頭筋腱の安定性に寄与しているとのことです。
肩甲下筋腱の上腕二頭筋腱を支持する解剖学的な特徴から、臨床において上腕二頭筋腱に前方脱臼や亜脱臼のような不安定性を認める症例は、肩甲下筋腱の損傷も伴うことが非常に多いとのことです。
肩関節痛を有する患者をみる際は、このことを踏まえて画像所見や理学所見をみていこうと思いました。
投稿者:竹下真広
reverse shoulder arthroplasty術後の腋窩神経損傷について
本日は、「reverse shoulder arthroplasty術後の腋窩神経損傷」について記載されている論文を紹介させていただきます。
本邦においても、reverse shoulder arthroplastyの症例は増加してきています。TSAに比べると挙上可動域も獲得しやすく良好な成績が期待されていますが、合併症のリスクなども多く神経損傷に関しては、 TSAと比較すると高率で発生すると報告もされています。
腋窩神経損傷の原因としては、手術によるものや術後の血腫による圧迫、上腕骨の延長などにより生じると報告されています。
この論文では、新鮮な献体で腋窩神経とglenosphereや上腕骨コンポーネントとの位置関係を確認されています。
通常、RSAではscapular northを生じにくくするためにglenosphereは関節窩に対して下方に設置するのですが、関節窩の下方には腋窩神経が走行しているため下方設置の距離を長くした際に、腋窩神経と接触していないかを確認されています。また、その際に上腕骨コンポーネントとの接触がないかも同時に確認されています。
結果は、glenosphereと腋窩神経との接触は認められなかったのですが、関節窩に対して6mm以上下方設置すると上腕骨コンポーネントと腋窩神経とに接触が認められる症例が存在したと報告されています。
そのため、下方設置に関しては6mm以内に抑えることが重要ではないかとされています。
理学療法を行う上でも神経損傷が生じていないかを確認することは重要なことであると思うのでレントゲン上、glenosphereがどの位置に設置されているかを確認しておく必要があると感じました。
投稿者:団野翼
本邦においても、reverse shoulder arthroplastyの症例は増加してきています。TSAに比べると挙上可動域も獲得しやすく良好な成績が期待されていますが、合併症のリスクなども多く神経損傷に関しては、 TSAと比較すると高率で発生すると報告もされています。
腋窩神経損傷の原因としては、手術によるものや術後の血腫による圧迫、上腕骨の延長などにより生じると報告されています。
この論文では、新鮮な献体で腋窩神経とglenosphereや上腕骨コンポーネントとの位置関係を確認されています。
通常、RSAではscapular northを生じにくくするためにglenosphereは関節窩に対して下方に設置するのですが、関節窩の下方には腋窩神経が走行しているため下方設置の距離を長くした際に、腋窩神経と接触していないかを確認されています。また、その際に上腕骨コンポーネントとの接触がないかも同時に確認されています。
結果は、glenosphereと腋窩神経との接触は認められなかったのですが、関節窩に対して6mm以上下方設置すると上腕骨コンポーネントと腋窩神経とに接触が認められる症例が存在したと報告されています。
そのため、下方設置に関しては6mm以内に抑えることが重要ではないかとされています。
理学療法を行う上でも神経損傷が生じていないかを確認することは重要なことであると思うのでレントゲン上、glenosphereがどの位置に設置されているかを確認しておく必要があると感じました。
投稿者:団野翼
2016年3月20日日曜日
滋賀支部のブログが出来ました
すでにご存知の方も多いとは思いますが、整形外科リハビリテーション学会「京滋支部」として活動してまいりました本会は、昨年末の整形外科リハビリテーション学会本部の理事会及び評議員会の議を経て、本年より「京都支部」、「滋賀支部」として独立した活動を行うこととなりました。
そのため、本ブログも「京都支部スタッフブログ」と名称を改め、新たに「滋賀支部ブログ」も開設することとなりました。
滋賀支部ブログ http://sorshiga.blogspot.jp
「京都支部」、「滋賀支部」とも今まで以上に、整形外科リハビリテーションに関する科学的原理の蓄積、技術の研鑽及び向上に努め、理学療法学、作業療法学の発展に寄与するための活動に邁進してまいります。
なお、本日現在の各支部の世話人は以下の通りとなります。
「京都支部世話人」
爲澤一弘(京都下鴨病院)、團野翼(京都下鴨病院)、一志有香(京都下鴨病院)、藤原信吾(宇治武田病院)、竹下真広(京都下鴨病院)、服部隼人(京都下鴨病院)、中井亮佑(京都下鴨病院)、永井教生(京都下鴨病院・大阪支部代表世話人)
「滋賀支部世話人」
辻修嗣(生田病院)、小野志操(京都下鴨病院)、三倉一輝(城北整形外科)、小野正博(秋山整形外科)、奥山智啓(ひぐち整形外科)、見田忠幸(秋山整形外科)
今後とも京都支部ならびに滋賀支部をどうぞよろしくお願い致します。
投稿者:小野志操
膝関節動揺試験における靭帯の張力について
本日は、膝関節の動揺性の張力分布に関する文献をご紹介します。
藤江裕道,他:膝関節動揺性試験における膝靱帯の張力分布(ロボティクスを用いた計測 ) .日本機械掌会論文集(C編) 61,586.347-352:1995
この文献では、切断した膝関節を、前方動揺と後方動揺のストレスを加えて応力計算ができる装置に固定して、0°、30°、60°、90°の各角度で50Nと100Nの動揺負荷を加えた際に各靭帯にどれだけの張力が加わっているのかを計測されています。
結果は、前方引き出しではACLは伸展位で最も張力が大きく屈曲角度が増すにつれて張力が減っていく傾向にありました。ACLを前内側部の前方と後方、後外側部の3つに分けてみた場合、前内側部の前方はあまり前方引き出しに対する張力は生じないのに対して、0°、30°では後外側部の張力が大きく、60°、90°では前内側部の後方の張力が大きくなる傾向にあったとされています。
MCLやLCLでも屈曲角度が増すにつれて張力が大きくなり、関節包は張力を生じないとのことでした。
後方引き出し時には、どの可動域においてもPCLの張力が最も高く、前外側部と前内側部に分けてみた場合、前外側部に生じる張力は30°屈曲位から急激に増加し、屈曲角度が増すにつれて張力も増大していくのに対して、後内側部は常に低値を取り続けたそうです。
MCLでは張力はあまり働かず、LCLと関節包が浅い屈曲角度で張力増大を認めたとされています。
このことから、前方引き出し、後方引き出しを行う際に屈曲角度を変化させて行うと、他の靭帯の損傷程度の評価結果への関与を考察できるとともに、ACL、PCLのどの線維が損傷していたか、他の靭帯が損傷しているかによっても、より安全にトレーニングを実施できる角度を考慮しやすくなるのではないかと感じました。
投稿者:為沢 一弘
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ベーシックセミナーの申し込みが満員に達しました。
たくさんのご応募ありがとうございました。
万が一、キャンセル等が出た場合、再募集をかける可能性もございます。
その際は、都度、ホームページやブログにUPさせていただきますので、よろしくお願い致します。
来週土曜日には、京都支部の定例会が開催されますので、こちらも是非ご参加下さい。
詳細はホームページよりご確認いただけます。
http://ohmi-rigaku.jimdo.com/京都支部/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
この文献では、切断した膝関節を、前方動揺と後方動揺のストレスを加えて応力計算ができる装置に固定して、0°、30°、60°、90°の各角度で50Nと100Nの動揺負荷を加えた際に各靭帯にどれだけの張力が加わっているのかを計測されています。
結果は、前方引き出しではACLは伸展位で最も張力が大きく屈曲角度が増すにつれて張力が減っていく傾向にありました。ACLを前内側部の前方と後方、後外側部の3つに分けてみた場合、前内側部の前方はあまり前方引き出しに対する張力は生じないのに対して、0°、30°では後外側部の張力が大きく、60°、90°では前内側部の後方の張力が大きくなる傾向にあったとされています。
MCLやLCLでも屈曲角度が増すにつれて張力が大きくなり、関節包は張力を生じないとのことでした。
後方引き出し時には、どの可動域においてもPCLの張力が最も高く、前外側部と前内側部に分けてみた場合、前外側部に生じる張力は30°屈曲位から急激に増加し、屈曲角度が増すにつれて張力も増大していくのに対して、後内側部は常に低値を取り続けたそうです。
MCLでは張力はあまり働かず、LCLと関節包が浅い屈曲角度で張力増大を認めたとされています。
このことから、前方引き出し、後方引き出しを行う際に屈曲角度を変化させて行うと、他の靭帯の損傷程度の評価結果への関与を考察できるとともに、ACL、PCLのどの線維が損傷していたか、他の靭帯が損傷しているかによっても、より安全にトレーニングを実施できる角度を考慮しやすくなるのではないかと感じました。
投稿者:為沢 一弘
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ベーシックセミナーの申し込みが満員に達しました。
たくさんのご応募ありがとうございました。
万が一、キャンセル等が出た場合、再募集をかける可能性もございます。
その際は、都度、ホームページやブログにUPさせていただきますので、よろしくお願い致します。
来週土曜日には、京都支部の定例会が開催されますので、こちらも是非ご参加下さい。
詳細はホームページよりご確認いただけます。
http://ohmi-rigaku.jimdo.com/京都支部/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
2016年3月17日木曜日
肩関節のバイオメカニクス
今回は、「モーションキャプチャーシステムを用いた肩関節の三次元運動解析」について記載されている文献を紹介したいと思います。
この文献では、モーションキャプチャーシステムを使用して、肩関節の運動解析を行っています。
健常成人15名を対象としており、触診によりランドマークを同定しマーカーを貼付し、下垂位中間位から最大挙上位に至る一連の動作を撮影されています。
その解析から上腕骨軸の挙上に伴う回旋の変化を示されています。
結果ですが、挙上に伴う回旋は初期に内旋が先行して生じ、その後外旋運動が生じると報告されています。
臨床においては、この運動を理解した上で肩関節の操作を行い挙上角度によって回旋方向の誘導を変えていくことが重要ではないかと感じました。
投稿者:団野翼
2016年3月13日日曜日
大阪運動器リハビリテーション研究会 特別講演 報告
平成28年3月13日,河内総合病院にて大阪運動器リハビリテーション研究会に参加してきました。
テーマは「股関節前部痛に対する機能解剖学的評価と治療」
講師は京都下鴨病院の小野志操先生、同じく京都下鴨病院の永井教生先生、城北整形外科クリニックの三倉一輝先生でした。
内容:
三倉一輝先生による
「股関節周囲の骨の触診」
永井教生先生による
「股関節周囲筋の触診」
小野志操先生による
「股関節前部痛に対する機能解剖学的評価と治療」
実技講師として為沢一弘先生、藤原信吾先生、団野翼が参加しました。
講師の先生方の講演を聞き、股関節の局所解剖と機能解剖について詳細に学ぶことができ、治療技術を向上するためにも触診技術の大切さを再認識することができました。
理学療法において、局所の機能改善が重要でありそのためにも解剖を理解しておくことは重要なことです。
自分自身の課題としてまだまだ、解剖の知識も不十分ですし技術においても足りていないことが多いと感じたので日々努力していきたいと思います。
今回学んだことを臨床で活かし臨床に役立てていきたいと思います。
投稿:団野翼
テーマは「股関節前部痛に対する機能解剖学的評価と治療」
講師は京都下鴨病院の小野志操先生、同じく京都下鴨病院の永井教生先生、城北整形外科クリニックの三倉一輝先生でした。
内容:
三倉一輝先生による
「股関節周囲の骨の触診」
永井教生先生による
「股関節周囲筋の触診」
小野志操先生による
「股関節前部痛に対する機能解剖学的評価と治療」
実技講師として為沢一弘先生、藤原信吾先生、団野翼が参加しました。
講師の先生方の講演を聞き、股関節の局所解剖と機能解剖について詳細に学ぶことができ、治療技術を向上するためにも触診技術の大切さを再認識することができました。
理学療法において、局所の機能改善が重要でありそのためにも解剖を理解しておくことは重要なことです。
自分自身の課題としてまだまだ、解剖の知識も不十分ですし技術においても足りていないことが多いと感じたので日々努力していきたいと思います。
今回学んだことを臨床で活かし臨床に役立てていきたいと思います。
投稿:団野翼
2016年3月12日土曜日
LINEで京都支部の情報配信ページを作成しました
友達追加していただくと、整形外科リハビリテーション学会や、その他の勉強会に関する情報がご覧になれます。
また、LINEにご登録いただいた先生方限定で、定例会に出席すれば1ポイントGETできるポイントカードがLINE上で取得できます。
このポイントカードを使用して、数個貯めれば京都支部の特別講演などで使用できる割引クーポン券や無料クーポン券などに交換することができるサービスなどを検討しております。
ご興味がおありの先生方は、スマートフォンより下の友達追加ボタンまたはQRコードからアクセスしてみて下さい。
LINE ID: 「@seireha.kyoto」で検索
第25回整形外科リハビリテーション学会学術集会2016 のご案内
2016年3月10日木曜日
烏口肩峰靭帯の弾性について
本日は文献を紹介します。
腱板断裂は、痛みを伴う症候性と伴わない無症候性が存在します。それらを分ける因子は様々であり、はっきりとした原因の一定した見解は得られていません。その中でも、烏口肩峰靭帯は変性が進むと硬い物質特性を持つとされていますが、腱板断裂の存在する症例の烏口肩峰靭帯は柔らかい物質特性となると報告されました。
今回紹介する文献は、その報告の次報です。烏口肩峰靭帯の弾性を超音波エラストグラフィーにて計測し、症候性腱板断裂群と無症候性腱板断裂群の2グループに分けてそれぞれの烏口肩峰靭帯のひずみ率をの差を検討されています。
症候性腱板断裂群は、腱板筋群に対して烏口肩峰靭帯が硬くなっており、無症候性腱板断裂群は柔らかくなっていたと報告されています。筆者らは烏口肩峰靭帯による圧力の上昇が疼痛を誘発しているのではないかと考察しています。
症候性の腱板断裂を無症候性へと改善する一要素として、改善腱板への圧迫応力を軽減させる事が重要であると感じました。
投稿者:中井亮佑
2016年3月9日水曜日
腱板断裂肩における上腕二頭筋長頭腱の病態と処置
今回は、腱板断裂肩における上腕二頭筋長頭腱の病態と処置について記載されている論文を紹介したいと思います。
近年、鏡視下手術が普及してきておりLHBの損傷に伴う疼痛が再認識されてきているためLHBの腱固定または切離の適応が拡大しています。
臨床上でも腱板断裂に伴う上腕二頭筋長頭腱断裂の症例に遭遇することは稀ではないと思いますが、文献上でも腱固定か腱切離を行うかでは意見が分かれている印象があります。
この文献では、腱切離と固定に関しては、腱切離により屈曲と回外の筋力が20%低下するため高齢女性では腱切離を行い男性では腱固定を行うと報告しています。
LHBによる疼痛の原因は関節内で肥厚することにより、結節間溝部で滑走障害が生じ疼痛が出現しているとされています。手術の際に腱鞘を切離し結節間溝部を鏡視すると、LHB実質や腱鞘の血管増生が認められることが多く、同部位での強い炎症が示唆される所見が見られるとされています。そのため、LHBが術後の疼痛に関与するためLHBの処置の適応を拡大していると述べています。
しかし、臨床上LHBが肥厚していても疼痛が軽減する症例も存在するため肥厚だけが疼痛の原因ではないのではないかと考えています。
滑走障害による疼痛なのか肥厚することで内圧が上昇し疼痛が出現しているのかLHBとその他の組織とで摩擦が生じ疼痛が生じているのかなど色々考えられます。
理学療法を行う際にどういう状態であれば保存療法で結果を出すことができ、どの場合に手術適応かについて考える必要があるため、今後検討していきたいと考えています。
投稿者:団野翼
近年、鏡視下手術が普及してきておりLHBの損傷に伴う疼痛が再認識されてきているためLHBの腱固定または切離の適応が拡大しています。
臨床上でも腱板断裂に伴う上腕二頭筋長頭腱断裂の症例に遭遇することは稀ではないと思いますが、文献上でも腱固定か腱切離を行うかでは意見が分かれている印象があります。
この文献では、腱切離と固定に関しては、腱切離により屈曲と回外の筋力が20%低下するため高齢女性では腱切離を行い男性では腱固定を行うと報告しています。
LHBによる疼痛の原因は関節内で肥厚することにより、結節間溝部で滑走障害が生じ疼痛が出現しているとされています。手術の際に腱鞘を切離し結節間溝部を鏡視すると、LHB実質や腱鞘の血管増生が認められることが多く、同部位での強い炎症が示唆される所見が見られるとされています。そのため、LHBが術後の疼痛に関与するためLHBの処置の適応を拡大していると述べています。
しかし、臨床上LHBが肥厚していても疼痛が軽減する症例も存在するため肥厚だけが疼痛の原因ではないのではないかと考えています。
滑走障害による疼痛なのか肥厚することで内圧が上昇し疼痛が出現しているのかLHBとその他の組織とで摩擦が生じ疼痛が生じているのかなど色々考えられます。
理学療法を行う際にどういう状態であれば保存療法で結果を出すことができ、どの場合に手術適応かについて考える必要があるため、今後検討していきたいと考えています。
投稿者:団野翼
2016年3月6日日曜日
年間スケジュール
今年度の京都支部の年間スケジュールが完成致しました。
今年度の京都支部の活動は、例年通り奇数月に開催される2ヶ月に1回の定例会(症例検討会とレクチャーを実施)に加え、新たな試みとして偶数月に触診勉強会を開催する予定です。
今年度の触診部位のテーマは股関節の骨と軟部組織です。
骨からはじめて1年間をかけて股関節の触診をマスターできるよう、触診ができればそのまま評価や治療に結びつけていけるような、臨床現場に活かせる触診の練習を行っていこうと思います。
開催場所等は未定ですが、決まり次第ホームページとブログにてご報告させていただこうと考えています。
ご興味をお持ちの先生方がおられましたら、4月からの開始を楽しみにお待ち下さい。
また、今月は26日(土)に定例会を開催予定です。
内容は「リバース型人工肩関節術後の運動療法の考え方」というテーマで京都下鴨病院の團野翼先生がレクチャーをして下さいます。
團野先生は京都下鴨病院でも一番多くこの症例を診られているので、興味深いお話が聞けると思います。
まだ、日本に浸透しはじめて間もなく、実際に臨床で目にする機会の少ない術式ではありますが、これから先、実際に目にする機会が増えていく手術になる可能性は高いため、今後の経験のために勉強されてみてはいかがでしょうか?
日時、詳細はホームページよりご確認下さい。
➡️http://ohmi-rigaku.jimdo.com/京都支部/
加えて、症例検討も募集中ですので、お困りの症例がおられましたら、尻込みせず、一緒に問題を解決してみませんか?
症例検討応募フォーム➡️http://ohmi-rigaku.jimdo.com/症例検討応募/
今月も宜しくお願い致します。
投稿者:為沢 一弘
今年度の京都支部の活動は、例年通り奇数月に開催される2ヶ月に1回の定例会(症例検討会とレクチャーを実施)に加え、新たな試みとして偶数月に触診勉強会を開催する予定です。
今年度の触診部位のテーマは股関節の骨と軟部組織です。
骨からはじめて1年間をかけて股関節の触診をマスターできるよう、触診ができればそのまま評価や治療に結びつけていけるような、臨床現場に活かせる触診の練習を行っていこうと思います。
開催場所等は未定ですが、決まり次第ホームページとブログにてご報告させていただこうと考えています。
ご興味をお持ちの先生方がおられましたら、4月からの開始を楽しみにお待ち下さい。
また、今月は26日(土)に定例会を開催予定です。
内容は「リバース型人工肩関節術後の運動療法の考え方」というテーマで京都下鴨病院の團野翼先生がレクチャーをして下さいます。
團野先生は京都下鴨病院でも一番多くこの症例を診られているので、興味深いお話が聞けると思います。
まだ、日本に浸透しはじめて間もなく、実際に臨床で目にする機会の少ない術式ではありますが、これから先、実際に目にする機会が増えていく手術になる可能性は高いため、今後の経験のために勉強されてみてはいかがでしょうか?
日時、詳細はホームページよりご確認下さい。
➡️http://ohmi-rigaku.jimdo.com/京都支部/
加えて、症例検討も募集中ですので、お困りの症例がおられましたら、尻込みせず、一緒に問題を解決してみませんか?
症例検討応募フォーム➡️http://ohmi-rigaku.jimdo.com/症例検討応募/
今月も宜しくお願い致します。
投稿者:為沢 一弘
ベーシックセミナーのご案内(募集終了)
今年も5月に京都支部・滋賀支部共催でベーシックセミナーを開催致します。
定員に達したため、申込受付を終了しました(3月19日)
お申し込みは京都支部・滋賀支部合同ホームページよりお申し込みいただけます。
テーマ「膝関節の機能解剖学に基づく評価と触診」
日時:平成28年5月29日(日)9時30分受付開始
会場:ハートピア京都 3階 大会議室
参加費:会員、非会員とも3,000円
内容:
会場:ハートピア京都 3階 大会議室
参加費:会員、非会員とも3,000円
内容:
①膝関節外側組織由来の屈曲制限
三倉一輝先生(城北整形外科クリニック)
三倉一輝先生(城北整形外科クリニック)
②膝関節前面組織由来の屈曲制限
奥山智啓先生(ひぐち整形外科クリニック)
奥山智啓先生(ひぐち整形外科クリニック)
③膝関節伸展機構由来の伸展制限
為沢一弘先生(京都下鴨病院)
為沢一弘先生(京都下鴨病院)
④膝関節後内側組織由来の伸展制限
小野正博先生(秋山整形外科クリニック)
小野正博先生(秋山整形外科クリニック)
実技講師:
辻修嗣先生(生田病院)
永井教生先生(京都下鴨病院)
一志有香先生(京都下鴨病院)
團野翼先生(京都下鴨病院)
辻修嗣先生(生田病院)
永井教生先生(京都下鴨病院)
一志有香先生(京都下鴨病院)
團野翼先生(京都下鴨病院)
ゲスト講師:
浅野昭裕先生(整形外科リハビリテーション学会常任理事)
浅野昭裕先生(整形外科リハビリテーション学会常任理事)
定員:80名
昨年は多くの先生方にご参加いただいた勉強会を今年も開催することになりました。
来週、3月10日(木)0時より受付を開始致します。
ご興味がある先生方は、是非、職場で同僚の先生方ををお誘い合わせの上、奮ってご応募下さい。
投稿者:為沢 一弘
2016年3月5日土曜日
第4回関西ブロック全国研修会報告
京都工科大学校において開催された関西ブロック全国研修会 |
平成28年2月27日・28日の2日間、京都工科大学校を会場に第4回関西ブロック全国研修会が開催されました。
今年のテーマは「肩関節の機能解剖学的触診と治療」でした。京都支部からは実技講師として永井教生先生、一志有香先生、小野志操、受講生として竹下真広先生、團野翼先生、運営スタッフとして中井亮佑先生、服部隼人先生、吉田雄大先生が参加されました。
肩関節の局所解剖と機能解剖について詳細に学ぶことができ、触診技術が治療技術に繋がるという大切さを再認識することができました。
臨床において様々な理学療法の考え方がありますが、やはり局所の機能改善があって初めて動作に反映させることができると感じました。
今回学んだことを今後の臨床はもちろん、治療技術の伝達という臨床家としての使命に活かしていきたいと思います。
投稿:小野志操
【今後の研修会】
■『股関節前部痛に対する機能解剖学的評価と治療~股関節唇損傷における保存療法と関節鏡視下手術後療法の診かた~』大阪運動器リハビリテーション研究会
■『第105回京都支部定例会〜リバース型人工肩関節術後運動療法の考え方』京都支部定例会
■『第2回京都支部・滋賀支部共催 ベーシックセミナー〜膝関節の機能解剖学に基づく評価と触診』京都支部・滋賀支部共催
第105回京都支部定例会ご案内
レクチャー:「リバース型人工肩関節全置換術の術後運動療法」
講師:團野翼先生(京都下鴨病院)
開催日:平成28年3月26日 土曜日
時間:受付18時〜 開始18時30分
会場:京都下鴨病院 2階 リハビリ室
症例検討:募集中
参加費:会員無料、会員外500円
事前申込不要
膝窩筋を中心としたヒト posterolateral structures の臨床解剖学的検討
今回の文献は膝後外側複合体(以下PLS)の肉眼解剖学的な検索とMRIにおけるPLS構成組織の描出能について検討されている文献を紹介します。
三浦ら:膝窩筋を中心としたヒトposterolateral structuresの臨床解剖学的検討 第7回臨床解剖研究会記録 2003.9.20
本文献内では成人遺体から8体16膝を用い、PLSに含まれる膝窩筋(以下PM)の詳細な付着形態についての結果が述べられています。結果としては検索された6例全例において近位付着部は共通して6分しており、①強靭なPM主腱は大腿骨外側顆に付着。②PM最表層線維は弓状膝窩靭帯(以下APL)の内側線維束と合一。③PM後面の深層線維束は外側半月板後角に付着。④膝窩トンネル構成線維の一部は関節包前方に発達した横走線維束を介して膝蓋骨側面に付着。⑤PM下縁線維は後方外側関節包に付着。⑥PM下縁表層線維束は膝窩腓骨靭帯(以下PFL)を介して腓骨頭に付着していたと報告しています。
考察においては膝後外側隅角にて上下に存在するAPLとPFL、関節包中部横走線維束が3方向から主腱を牽引することでPM主腱が関節安定機構として機能するのではないかとしています。また、PM以外のPLS構成靭帯については、MRIにて描出される位置に同じように存在していたと述べています。
今回の文献からPMの運動機能にはPLSに関わる靭帯が関係し、それぞれ協調し合うことでPMの運動を補うと考えられることから、MRIにて各靭帯の損傷有無を確認することは重要であると感じました。
投稿者:服部隼人
登録:
投稿 (Atom)
人気の投稿
-
本日は、足の支帯が有する機能について報告された文献を紹介します。 Carla Stecco et al:The Ankle Retinacula.Morphological Evidence of the Proprioceptive Role of the Fa...
-
Straight Leg Raising test(以下SLRテスト)は腰椎椎間板ヘルニアなど腰下肢痛を評価する有名な検査手技であり、皆さんもよくご存じだと思います。 カルテなどにSLRテスト陽性またはSLR(+)と記載していることがあります。しかし、SLRテストを行った際に...
-
文献紹介 大腿骨転子部骨折において後外側支持欠損が lag screw sliding に与える影響 (徳永真己・他 : 骨折 第35巻、98-102、2013) 大腿骨転子部骨折をshort femoral neck (SFN) で...
-
今回は膝関節筋の肉眼解剖学的観察についてです。 安岡武紀:膝関節筋の肉眼解剖学的観察‐膝関節筋の形態と中間広筋および膝蓋上方との関係‐ 久留米医会誌雑誌.Vol 74 , 14-22, 2011 今回は、中間広筋の深層に存在する膝関節筋の肉眼...
-
本日は、深臀部症候群(Deep gluteal syndrome 以下 DGS)に関与する 臀部ス ペース内の坐骨神経絞扼 について一部紹介させていただきます。 深臀部症候群(Deep gluteal syndrome 以下 DGS)は、 坐骨神経の...